「言葉が遅いかも」と思ったときに自宅でできること
相談事例③
「ほかの子とくらべて、話せる言葉の数が少なく、言葉の発達が遅いようです。自宅でできることを教えてください」
1.聞こえに問題はないか確認する
言葉は耳で聞いて学習することから始まります。聞こえづらい状態であれば、言葉にも影響します。聞こえづらい状態であれば、言葉にも影響します。
「テレビを近くで見たり、音を大きくしたりする」「親の問いかけを何度も聞き返す」など、生活の中で、聞こえづらい様子はないかを確認し、心配があれば耳鼻科で調べてもらうと安心できるかもしれません。
乳幼児健診で行う「ささやき声」「指こすり」の簡易検査も有効です。
*ささやき声検査…ないしょ話のようなささやき声が聞こえるかを検査する
*指こすり検査…子どもの後ろから、左右の耳の近くで親指と人差し指をこする音が聞こえるかを検査する
なお、産後に行う「新生児聴覚スクリーニング検査」は、地域によっては100%の実施ではありませんが、あるようなら受けることをお勧めします。
2.子どもの近くで、ゆっくりと話す
キッチンで調理をしながら、少し離れた場で遊んでいる子どもに話かける方は多いです。
このような状況は子どもは、話の内容を聞き取りにくくなります。余裕のある時には子どもに近づき、目の高さを合わせ、ゆっくりと明瞭に話してあげると、聞き取りやすく、会話がしやすくなります。
3.子どもの動作に言葉を添える
例えば、子どもが、車のおもちゃを取ってほしい、と指さしした場合、そのまま無言で取ってあげるのではなく、「くるま、とってだね」と子どもの思いを言葉に出し添えてあげると、子どもは真似できるようになります。
絵カードを使って行動を指示する場合も同じです。言葉も添えてあげることは大切です。
4.話せる言葉を記録する
今はどんな言葉を話しているか、余裕のある時には日付と共に書いておきます。
時々見返すと言葉の成長がわかり、専門家への相談が必要になった場合には、貴重な資料となります。
また、幼児期の子どもなりの精一杯の表現は可愛いものです。成長後に見返すと、家族の楽しい大切な思い出の記録となるのではないでしょうか。
5.子どもなりの言葉を大切にする
明瞭な言葉を話せるようになる前段階に、家族以外にはわからない、不明瞭な言葉を発する時期があります。
その言葉は、その子には立派な言葉です。すぐに正しい発音に直させる練習をするのではなく、まずは、その子なりの表現でコミュニケーションを楽しめることが大切です。
まわりの大人が心がけたいこと
相談事例④
「『せんせい』が『てんてい』になります。言い直しさせて、正しい発音を教えていましたが、そのうちあまり話をしなくなってしまいました。」