論客タレント・フィフィが我が子には思想を一切伝えない深い理由

フィフィさん子育てインタビュー#2「我が子との接し方」

タレント:フィフィ

頑張っている親の背中を見せるのが一番の教育かも

「こんな子に育ってほしい」「こんなことができる大人になってほしい」などと、親が我が子に夢や希望を託すのは、当然のように思えます。ところが……。

「私の場合、タレント活動との両立で、子どもを育てるだけで精いっぱい。そんなところにまで思いが至りませんでした。ちゃんとごはんを食べて、健康で、きちんと学校に通ってくれればいいや、と。それ以上のことは考えなかったなぁ(笑)。

でも、だからこそ良かったとも言える。夢や希望を託して、そのとおりにならないと、不安になったり、あせったりするじゃないですか。私の場合、それがなかったわけで」

では、しつけや教育面でのポリシーは?

「えっ、みんなは、そこまでこだわって何かしているの!? 私、子育てに集中する時間がなくて、本当に放任主義だったもので。しつけと言っても、特には……」

そんなフィフィさんが、最近、つくづく感じているのは、「子どもは親の背中を見て育つ」ということ。

「近頃、たまに息子が言うんですよ。『ママはよく頑張ってるよね、すごいね』って。そう言われると、『この子は私が頑張っていることをわかってくれていたんだな』とすごくうれしくて。

彼は、私の苦労もたくさん知っていると思うんです。タレント活動と家庭を両立させながら、忙しい合間をぬって本を出したり。それが簡単ではないことも理解しているはず。弱音を吐きたくなることもあったけれど、それでも前に進んできた。

そんな私の姿を見せることが、十分、教育になったのではないかと。子どもは親の背中を見て育つと言いますが、まさにそうだと実感しています」

親は忙しすぎるくらいがちょうどいい

子どもと過ごす時間が少なくて申し訳ない、育児に集中できず歯がゆさを感じる。仕事を持つお母さんの中には、こんな思いを抱いている人が少なくないようですが……。

「時間がありすぎるのはマイナス。余計なことを考えてしまって自分を追い込んだり、子どもにプレッシャーを与えてしまったりすることもあるじゃないですか。

昔のお母さんを思い浮かべてみてください。時短ができる便利な家電もないから家事に時間を取られるし、子どももいっぱいいて、てんやわんや。朝から晩まで働き通しで、いらないことをぐずぐず考える暇はなかったはず。それでも、子どもはまっとうに育ったんじゃないですかね」

親、特に母親は時間がないくらいがちょうどいい。これがフィフィさんの持論。

「私の場合、仕事と育児の両立で毎日追われていたおかげで、子どもといい距離感で育児ができました。それが正解だったかどうかは定かではありません。

でも、息子は、ちょっと引っ込み思案ではあるものの、勝手にちゃんと育ってくれた。フィフィの子どもにしては上出来(笑)。そう考えると、私の子育てもまんざらではなかったのかな、と。

やっぱり、子どもにだけ集中するのはよくないから、暇を持て余してはいけない。子どもがいる人は、忙しくすることがとても大事だと思います。

だいたい子どもは、ちょっと大きくなると『ママ、今日の予定は? 明日は?』などとしょっちゅう聞いてくるようになるの。ひとりで、あるいは友達と、なんか“悪さ”しようとしているのか、ママに予定が入っていると『ラッキー!』となる。子どもなんて、そんなものですよ(笑)」

取材・文/佐藤ハナ

フィフィさんの新刊『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)。日本人がわかっていない日本の実態をフィフィ節で鋭く告発。
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フィフィ

タレント

1976年、エジプト・カイロ生まれ。日本の大学で研究することになった両親に連れられて幼いころに訪日。小・中・高と日本の公立学校で学ぶ。中京大学情報科学部を卒業後、アメリカ留学を経て日本で就職。3年間の会社員生活ののちタレント活動を開始。以降、テレビ、ラジオ、webメディアで活躍。 近年は、フォロワー数YouTube40万人、Twitter62万人の論客として、鋭い切り口で国内外のニュース(社会問題、政治、エンタメ)を中心に発言。 近著に、国家安全保障、政教分離、ジェンダー問題、子どもの権利など、日本人が知らない日本の実態を赤裸々に告発した『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)。 私生活では、大学1年生(2005年生まれ)の息子を持つ母。

1976年、エジプト・カイロ生まれ。日本の大学で研究することになった両親に連れられて幼いころに訪日。小・中・高と日本の公立学校で学ぶ。中京大学情報科学部を卒業後、アメリカ留学を経て日本で就職。3年間の会社員生活ののちタレント活動を開始。以降、テレビ、ラジオ、webメディアで活躍。 近年は、フォロワー数YouTube40万人、Twitter62万人の論客として、鋭い切り口で国内外のニュース(社会問題、政治、エンタメ)を中心に発言。 近著に、国家安全保障、政教分離、ジェンダー問題、子どもの権利など、日本人が知らない日本の実態を赤裸々に告発した『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)。 私生活では、大学1年生(2005年生まれ)の息子を持つ母。