論客タレント・フィフィが我が子には思想を一切伝えない深い理由

フィフィさん子育てインタビュー#2「我が子との接し方」

タレント:フィフィ

フィフィさんの新刊『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)では、外国人目線だからわかる日本の深い闇を鋭く指摘。  Zoom取材にて

日本人の夫との間に生まれた長男が生後8ヵ月の2005年に芸能界入りしたフィフィさん。慣れない子育てをしながら、タレントとして超多忙な日々を過ごしていました。

「忙しすぎて、育児に関して細かいことを考える余裕がなかった」と笑いますが、親として、「これだけは」と譲れないモットーはあり、長男が大学生になった今も継続されています。それはいったいどんなことなのでしょう!?

フィフィPROFILE
1976年、エジプト・カイロ生まれ。両親に連れられて幼いころに訪日し、小・中・高と日本の公立学校で学ぶ。近年は、フォロワー数YouTube40万人、Twitter62万人の論客として、鋭い切り口で国内外のニュース(社会問題、政治、エンタメ)を中心に発言。私生活では、大学1年生の息子(2005年生まれ)を持つ母。

※2回目/全4回(#1を読む

モットーは「贅沢はさせないけど 不自由もさせない」

誰とも比較せず、自分は自分流で子どもを育てていこう──。こんな方針で子育てをしてきたフィフィさんですが、その“自分流”のモットーのひとつに、「贅沢はさせないけど、不自由もさせない」があります。

「子どもに贅沢をさせてもいいことは何もない、と考えています。だから、なんでもないときに豪華な食事を食べさせるとか、高価なものや必要以上のものを買ってあげるとか、そんなことはしません。

自分自身も贅沢に憧れたりしないので、タレント活動が軌道に乗って稼ぎ始めても、最初のころとライフスタイルは、一切変わりませんでした。今でもそうですが、うちに来た友達は『芸能人って、意外に質素な暮らしぶりだね』と驚きます(笑)」

フィフィさんの言う「贅沢はさせない」は、「ケチケチする」とは別。普段は贅沢をさせないけれど、特別な日は思い切って贅沢をします。

「例えば、旅行のときには豪華なごはんを食べて、ついでにテーブルマナーを教えたり。うちの親も同じような方針で私たち姉妹(フィフィさんは3姉妹の真ん中)を育ててくれました。普段は贅沢をしないんだけど、旅行でクルーズ船に乗せてくれたりしましたね」

一方、「不自由もさせない」は、子どもにとって必要なものにはお金を出す、子どもが「やりたい」と言ったことはやらせてあげる、ということ。

「自分の勝手な価値観や都合だけで、子どもが求めているものを与えない親もいますよね。自分を優先させて子どもには我慢を強いたりとかね。

でも、それって、どうなの? と私は思ってしまう。私は、子どもがそのとき必要としている“もの”“こと”には、ちゃんとお金を出したい。

もちろん、ほしいと言うものをなんでもかんでも買い与えたり、やりたいと言うことを全部やらせたりするわけではないですよ。限度があります。

その辺りは、ちゃんと子どもと意思の疎通をはかりながら決めていきます。私が思う“不自由させない”とは、こういうことです」

自分の思想を我が子に押し付けない

論客として知られるフィフィさん。鋭い視線で政治や社会問題などをバッサリ斬り、強い言葉で発信しています。「ひょっとして家でもそうなの?」と思いきや。

「普段、家では、私がSNSで発信したり、テレビで発言したりしているようなことは、ほぼ話さないです。息子に自分の思想を植え付けたくないから。

その点は、ずっと気をつけてきましたね。『フィフィの子どもだから、こんな考え方になるんだね』とならないよう、細心の注意を払ってきたつもり」

親の思想に染まってしまうと、さまざまな可能性が狭(せば)められてしまう。そう考えているフィフィさんは、子どもにはフラットで自由な発想をしてほしいと願ってきました。

「フラットでいると、いろいろな友達ができるだろうし、たくさんのことに興味を持てる。その分、可能性が広がります。だから私は、家では、ほとんど自分の思想は見せてきませんでした。

とはいえ、長男はもう大学生。近頃は、こっそり私のツイートを見ているようで、私がどんな考えで、どんなことを発信しているかはわかっていると思います。たまに『ママはこういう人だよね』と冗談で言ってくることもあります。

でも、まぁ、私が普段からSNSで発信しているようなことは、息子の前で話さないスタンスは変わりません。信じられない? いえいえ、私は、家では本当に普通のお母さんなんですよ。ごはんだってちゃんと作るしね(笑)」

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