みなさんは「きょうだい児」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。きょうだい児とは、障害や重い病気などにより特別なケアが必要な兄弟姉妹がいる子どものことです。彼らはときに、親の関心の偏りや「家庭を助けなければ」という責任感から、我慢を強いられたり、不安や孤独を感じたりすることがあるといいます。
自分のことを後回しにされてしまうたびに積もるわだかまりと、きょうだいを愛する気持ち。そのはざまで葛藤するきょうだい児の姿を描いた小説『君の火がゆらめいている』(落合由佳・著)が刊行されました。
この記事では、きょうだい児の当事者であり、現在は弁護士として活動されている藤木和子さんが、自身と小説の登場人物とを重ね合わせながら、きょうだい児たちの思いと未来を見つめます。
ハードモードな世界を生きる人に読んでほしい
読み終えて「傑作だ!!」と叫びました。
私は障害のある弟と育った「きょうだい児」であり、現在は弁護士として活動しています。子どものころから、世の中のやさしさと冷たさの両方を実感してきました。
なかなかハードモードな世界を、たくましくカッコよく爽快に生きたい。悩みや葛藤も大切だけど、素敵で楽しいことを多めにしたい。そんな私にまっすぐ届いた本が『君の火がゆらめいている』(落合由佳・著)です。





































