タコの腕には丸いイボイボがたくさん並んでいます。吸盤です。
吸盤をよく見てみると、表面に5円玉のような円盤があります。円盤の真ん中の穴をのぞくと、中に空間が広がっています。もっとよく観察すると、空間はドームのような形です。
タコが腕で何かものに触るとき、吸盤の円盤でものにくっつきます。次に、タコは吸盤の内側のドームを大きくして中の空間を広くします。すると、ドームの中の空気がマイナスの押す力である陰圧(いんあつ)になります。こうなると、吸盤がくっついているものは吸盤のドームに吸いつけられ、吸盤はものに強くくっつくのです。
タコの腕に触れられたものはたまったものではありません。
たくさんの吸盤にギューッと吸いつかれてしまうのです。こうなると離れることはできません。タコは吸盤をうまく利用して獲物をがっちり捕まえます。
私たちの身のまわりにも吸盤があります。冷蔵庫やホワイトボードにペタリとはってものをぶら下げる、丸くて透明な器具も吸盤です。一度つけたら、引っ張ってもなかなか外れません。タコの吸盤と同じです。
タコの吸盤は吸いつくだけではありません。