子どもの探究心を刺激する6大科学館 実験の専門家が全国から厳選!
親もそのおもしろさにうなる全国の科学館 楽しく理科の力をつける方法 #3
2023.03.23
学年が上がると理論が難しくなったり、計算が入ってきたりして理科が嫌い、あるいは苦手な子が増えます。しかし、理科の力は科学や技術の上に成り立っている現代では、非常に重要な知識です。
子どもが理科への興味を失わないようにするコツはさまざまありますが、科学館などの公共施設を利用するのも手です。
「科学の楽しさをすべての人に」伝えるために実験の開発などを行い、理科教育の改善にも長年にわたって尽力している滝川洋二(たきかわ ようじ)先生に、科学館をはじめとしたおすすめの施設を紹介してもらいます(全3回の3回目、#1、#2を読む)。
◆滝川洋二先生プロフィール
教育学博士。NPO法人ガリレオ工房理事長。NPO法人理科カリキュラムを考える会理事長。東京大学非常勤講師。ケンブリッジ大学にて理科教育研究を行った経験も持つ。「科学の楽しさをすべての人に」伝えるためにさまざまな取り組みと理科教育の改善に尽力している。テレビドラマ『ガリレオ』や映画ガリレオ『沈黙のパレード』の実験の監修者でもある。
体験型が増えている科学館は親子で楽しめる場所
「科学館などの公共施設は、親にとってはいろいろお得な場所です。入館料が安いということもありますが、楽しみながら学びたいという動機づけが簡単にできます。
というのも、現在の科学館は、解説を中心とした展示よりも、実際に試すことができる『体験型』が増えているからです。
特に大きな施設は解説と体験をバランスよく展示していて、小さな子どもから中学生や高校生まで興味深く科学技術に触れることができます。
僕は東京お台場にある日本科学未来館の開館に際して、どんな科学館にするかを考える委員をやっていたのですが、当初の展示よりも今は小学生でも楽しめる空間に進化を遂げています。
どこの施設も常に展示内容を模索しているので、何度行っても楽しめる場所になっているんです」(滝川先生)
体験型の傾向を象徴するかのように、多くの施設で実験教室などのイベントも企画されています。
「ひとつひとつちゃんと見ると常設展も楽しいものですが、実験教室などのイベントにも注目してみてください。
僕が理事長を務めているガリレオ工房では実験教室の監修も行っているのですが、ショーだけでなく、自分で体験する実験も企画しています。実際に自分の手を動かしたほうがダンゼンおもしろいですし、子どもの理解も進むので理科の力を育んであげることができます」(滝川先生)
実験教室は施設に申し込みをすれば、そのほとんどが手ぶらで参加が可能です。時間も30分~1時間で、子どもが集中できる長さが考えられています。
子どもの日をはじめ夏休みなどはイベントが多く、親子で楽しめること間違いありません。一緒に見て、触って、不思議に思って、理科の力を育ててあげるといいでしょう。