おもちゃのプロが教える! コロナ禍でも失敗しない「知育玩具」の選び方

おもちゃコンサルタント・平野美由紀さん(DocSpiel)子どもが伸びる「知育玩具」【前編】 失敗しない選び方とパパママQ&A

榎田 綾

知育玩具は胎教にも使える! おもちゃの悩みQ&A

Q:生まれて初めて子どもに買い与えるおもちゃは、いつ頃、どんなものを与えたらいいでしょうか?(神奈川県在住 32歳1児の母より)

A:「初めてのおもちゃは胎児期からご用意されることをおすすめします。ぜひお持ちいただきたいのはこの歯固めガラガラおしゃぶりです。

歯固めガラガラおしゃぶりティキ 3,850円。高さ9c...

歯固めガラガラおしゃぶりティキ 3,850円。高さ9cm。軽めで握りやすく、乳首に近い形が最良。
写真提供:DocSpiel

胎児は妊娠5ヵ月を過ぎた頃から音を聞くことができます。おなかの中で聞きなれたガラガラの音は、赤ちゃんの安心感につながります。そして産後、生まれたての赤ちゃんは、ママの指を握るようにこのボールをにぎにぎして遊びます。ガラガラは赤ちゃんにとって、口に入れるおしゃぶりで、さらに歯固めにもなります。1つで3役、役割を区別しないことも大事です。

オルゴールもおすすめです。胎児期はおなかの上に置いて赤ちゃんに聞かせます。産後は枕もとに。おなかの中で聞いていた音色とお母さんのにおいが与える安心感は、大変なお母さんの寝付かせの手助けもしてくれるでしょう。大きくなって親子の物理的距離が離れても、その安心感はその子の支えとなることがあるようです」

話をお伺いした平野美由紀さん。手にしているのは「オルゴ...

話をお伺いした平野美由紀さん。手にしているのは「オルゴールくま」10,120円と、6ヵ月を過ぎたぐらいの赤ちゃんに人気の「歯固めガラガラおしゃぶりドリオ」4,840円。
写真:榎田綾

Q:上が男の子、下が女の子の兄妹です。男女で使うおもちゃは変えたほうが良いのでしょうか?(京都府在住36歳2児の母より)

A:「車もままごとも生活の中に存在するもの。男女問わず、子どもにとっては興味のあるおもちゃに変わりありません。1歳半までは性別関係なく同じおもちゃで遊びます。2歳頃から好みでその使い方、遊び方が変わってきます。

たとえば、汽車や車が好きな子は、動作やタイヤの動きを観察するために目線を近づけ、車両を並べたり構造的に遊びます。一方で、動物を乗せたり、物語を作るように遊ぶ子もいます。ですから、おもちゃ選びでは性別をあまり気にしなくて大丈夫です。遊び方が一人一人違うことを把握したうえで、パーツの増やし方が変わってくると考えておくといいでしょう。」

Q:コロナ禍でおうち遊びが増えました。部屋はおもちゃで常に散らかり放題、片付けも進みません。(福岡県在住38歳2児の母より)

A:「お母さんが片付けてほしいと思うのは当然のこと。でも1歳は散らかすのが好きで、2〜3歳はおもちゃを並べるのが好きなんですよね。ですから、まずは何をしてもいい子どもの居場所を作ってあげましょう。そうすれば遊ぶ集中力が身につき、片付けも楽しくできるようになります。ポイントはおもちゃを並べられる棚を作ること。おもちゃ箱にすると、なんでも投げ込むゴミ箱のようになりがちです」

子どもの居場所作りの一例。最低横幅1mほどのスペースか...

子どもの居場所作りの一例。最低横幅1mほどのスペースから始めましょう。おもちゃの収納はおうちのキッチンと一緒。棚を用意して見やすく、出しやすく、おもちゃのおうちのようにしましょう。
写真提供:DocSpiel

コロナ禍で外遊びができず、子どもが好きな砂遊びができないという話を耳にします。砂遊びと同じ感覚が得られる室内遊びが、実は積み木なのです。砂場と一緒で規則性がないため、子どもの意欲を無限に引き出してくれます。積んだり、崩したり、創造の家を作ったりを繰り返す中で、空間認識能力を育みます。初めて用意するときは、単純な立方体、直方体のみをそろえてあげることがカギです。

遊びの先生は子どもたち 大人のアドバイスは不要

Q:友達と遊ぶ機会が減り「ママ、遊ぼう」と言われます。子どもとおもちゃで遊んでいても“遊ぶ”という感覚がわからず、どうしても何かを教えてしまう形になってしまいます。(広島県在住31歳1児の母より)

A:「何かを教える形になってしまう……ということに気づいてるお母さんが素晴らしいです。子どもはいろいろなおもちゃを使って、遊びを広げることができる天才。子どもの方が遊びに関しては上です。

大人は固定概念を捨て、子どもの遊びのマネをしてあげてください。子どもはお母さんが自分のマネをしてくれたのを見て、共感を得たことに喜び、満足するのです。また、子どもが『どうしたらいいかわからない』と言っているときは『どうしたらいいんだろうね』と一緒に考えてあげることが大切です。」

子どもの成長を長きに渡って手助けしてくれるおもちゃこそが「知育玩具」と呼べることがよくわかりました。これを機に子どもが喜ぶ「知育玩具」を入手して、上手に子育てに取り入れていきたいですね。
平野さんは「おもちゃを与えるのに『遅い』ということはない」と言います。 第2回では年齢別・発達別に適したおもちゃを平野さんにお伺いします。

※おもちゃの価格はすべて税込み表示です

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PROFILE
平野 美由紀さん

DocSpiel (ドクスピール)おもちゃコンサルタント 。(有)M&E(マザーリング&エデュケーション)代表。1995年におもちゃコンサルタント、おもちゃコーディネーター資格を取得。同年、福岡市におもちゃコンサルタントのいる安心のお店DocSpiel(ドクスピール)をオープン。育児情報誌での連載や産婦人科の母親教室、小児科学会での講演など、親子が安心して使えるおもちゃの情報を発信し続けている。
DocSpiel オフィシャルHP https://docspiel.com/

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えのきだ あや

榎田 綾

書籍編集者

1979年生まれ。出版社にて育児情報誌、ファッション誌の編集・ライターを経て、書籍編集者に。 ファッション、美容、子育て等をテーマとした女性実用書の企画編集を手がける。2014年に独立。結婚、出産と共に福岡県へUターン。 小学生と未就園児、二人姉妹の母。子育ての合間の、ものづくりが息抜きで、アクセサリー作家としても活動している。

1979年生まれ。出版社にて育児情報誌、ファッション誌の編集・ライターを経て、書籍編集者に。 ファッション、美容、子育て等をテーマとした女性実用書の企画編集を手がける。2014年に独立。結婚、出産と共に福岡県へUターン。 小学生と未就園児、二人姉妹の母。子育ての合間の、ものづくりが息抜きで、アクセサリー作家としても活動している。