【実はスゴい】「児童館」に中学生・高校生世代が集まるワケ ゲーム スポーツ バンド活動…驚きの充実ぶりとは

〈こどもの居場所・児童館〉前編

永見 薫

バンド活動・ダーツやビリヤード・キッチンも

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フリースペースにはたくさんの漫画や大型モニターが配置されています。ここではゆるりと漫画を読んだり、モニターを前にテレビゲームで盛り上がる大勢の中高生世代の人たちの姿が。

一方でカードゲームやボードゲームにいそしむ利用者もいれば、電源やWi-Fiのあるデスクで勉強に励む人も。思い思いの時間を過ごしています。

フリースペースにはキッチン、冷蔵庫とレンジが完備。クッキングに挑戦したい利用者がいれば、ここで調理が可能です。

持参したお弁当をあたためたり、カップ麺などを作ることも可能なので、おやつや夜食を食べることができるのは嬉しいですね。

▲プレイルームにはビリヤード台、ダーツボード、楽器などが用意されている

プレイルームに足を運ぶと、そこにはビリヤード台とダーツスペースがあり、職員と共に利用者が楽しむ姿が見られました。

プロのビリヤード講師を呼んでイベントを開催することもあるようで、大人顔負けのイベントの充実ぶりにこちらが羨ましくなるほど!

さらに奥へと進むと音楽スタジオが見えてきます。

防音環境になっており、ドラムセットやアンプなどが備えられています。もちろん無料で利用できる設備です。

事前予約が必要で2時間の入れ替え制ですが、特に学校の文化祭前は大人気で予約がが埋まってしまうのだそう。

音の大きな楽器やバンド活動は練習できる場所が限られるため、ジャンプ東池袋の音楽スタジオは、中高生世代にとって、とても使いやすくなっているようです。

▲屋上に広がるコートのスペース

3階の屋上にはコートが広がっています。

ネットに覆われたスペースにはバスケットゴールがあり、ここではサッカーやバレーボール、バスケットボールなどが可能です。貸し靴も用意しているので、ここにきていつでも遊ぶことができます。

「ジャンプ東池袋」は平日と土日に開館しています。朝は10時から、夜は平日20時まで(中学生は19時まで)、土日は18時までです。

遅くまで開いているので、学校が終わってから過ごす時間がたっぷりあるのはありがたいものですし、親御さんにとっても安心ではないでしょうか。

利用可能なのは、区内在住者か区内の学校に通学している人。主な利用者は区内の在住者ですが、区内在学の人中には、遠く千葉県から足をのばす利用者もいるそうです。

「距離は遠いかもしれないですが、定期券を持っていればここまでの交通費は追加でかかりませんし、『居心地が良いから』といってわざわざ足をのばす人もいるんですよ」と職員の方が笑顔で話してくれました。

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想像以上に充実した、中高生世代のための児童館。この記事で取材した豊島区をはじめ、各自治体で中高生世代に向けた児童館の活用が行われています。

児童館の情報は、各自治体のウェブサイトや児童館・児童クラブの情報サイト「コドモネクスト」などで見ることができます。ぜひお住まいの地域の児童館について調べてみてください。

【〈こどもの居場所・児童館〉シリーズは前後編。前編となる今回は、こどもの居場所づくりが必要とされる理由・居場所としての児童館についてレポートしました。後編では、こども・若者の支援について取材。たんなる遊び場としてだけでなく、さまざまな「事情」を抱えたこども・若者たちを手厚くサポートする「居場所」としての児童館をお伝えします】

※後編は2024年10月17日に公開予定です

<参考>
こども家庭庁「こどもの居場所づくりに関する指針 」
こども家庭庁「児童館について」施設数の推移

撮影/市谷明美

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ながみ かおる

永見 薫

Kaoru Nagami
ライター

複数の企業勤務後、フリーライターへ。地域や街、暮らしや子育て、働き方など「居場所」をテーマ に、インタビューやコラムを執筆しています。 東京都の郊外で夫と子どもと3人でのんびり暮らす。知らない街をおさんぽしながら、本屋を訪れる休日が好き。 X:https://twitter.com/kao_ngm note:https://note.com/kaoru_ngm

複数の企業勤務後、フリーライターへ。地域や街、暮らしや子育て、働き方など「居場所」をテーマ に、インタビューやコラムを執筆しています。 東京都の郊外で夫と子どもと3人でのんびり暮らす。知らない街をおさんぽしながら、本屋を訪れる休日が好き。 X:https://twitter.com/kao_ngm note:https://note.com/kaoru_ngm