モデル・益若つばさ×漫画家・蒼井まもる 性教育に「早すぎる」はありえない

特別対談+漫画『あの子の子ども』無料試し読み

知識が視野を広くしてくれる

自身のYouTubeチャンネルで積極的に情報発信を行なっている益若さん。 写真:講談社 椎野充

益若:「知識があると視野が広くなる」ということが漫画を通して描かれているのがすごい。

自分も選択肢を用意したいと常々思っているので、うちの息子や男の子にも読んでほしい漫画だなって思いました。

漫画の中で「最終的な決定権は親にあるってこと?」と福が思い悩むシーンが出てきます。

実際にいくら選択肢が与えられたとしても、未成年の場合、最終的には親の同意が必要です。これには私も考えさせられました。親として、どういうあり方が子どもに寄り添うことになるんだろうか、と。

例えば、宝の親のように「中絶しなさい」という親がいる。一方で「自分で考えて判断しなさい」というスタンスの福のお母さんがいる。

私は「福のお母さん、優しいじゃん」って思ったけど、実際には福は傷ついていたりとか「あ、子どもってそう捉えちゃうんだな」というのがリアルで興味深かったです。

続きが気になります。

蒼井:表現したいと思っていたことを、すくい取っていただけて嬉しいです。

益若:本当に教科書、学校の授業で置いてあってもいいくらい。選択肢が両方あって、押しつけがましくないのがいいですね。

蒼井:ありがとうございます。

日本の性教育って、妊娠するところまでしか教えてくれず、いざ妊娠したらどうすればいいか教わらない。コンドームにしろ男性主体なので、女性主体で避妊できる方法は何かというのを一人一人に考えてほしい。妊娠によって大きく人生が変わるのは女性だから。

性教育・生理のことは男の子も知ってほしいし男女分けて授業をする必要はない。小さいころから恥ずかしいことではなくて当たり前のことだという認識を持ってほしいな、と思います。

子どもたちのために目指すこと

益若:生理の話でもなんでも、性の悩みを話しやすい世の中にできたらいいなと思います。

YouTubeなどで、どうしてあえてミレーナや生理の話をしているかというと、コスメやファッションの話だけでなくて、人が言いにくい話をすることによって「益若つばさが言ってたよね」という会話のフックになってほしいからなんです。

あの人が喋っているから恥ずかしいことじゃない、となってほしい。テレビや雑誌でもこんなこと話してもいいんだと皆が認識して、親がこの対談を読んで「これあったよね」とか話せるといい。「この前ゴムが破れちゃったんだけど」とか気軽に話せるようになるといいですね。

蒼井:私も自分が描いた漫画が、知ることのきっかけになってほしい。『あの子の子ども』はまさにド直球だけど、普通のラブコメでも女性の権利だとか性教育についても当たり前のこととして描いていけたら、と思います。
(談)

(プロフィール)
益若つばさ
埼玉県出身。’85年生まれ。モデル、美容関連商品のプロデューサーとして活躍中。’21年には自身のYouTubeやInstagramで避妊リング(ミレーナ)を入れたことを公表し、話題となった。

蒼井まもる
愛知県出身。漫画家。代表作は『マイ・ボーイフレンド』『さくらと先生』など。Palcyにて連載中の『恋のはじまり』①~⑥巻<以下続刊>が絶賛発売中!

【作品紹介】この子たちの親だったらどうする?

益若さんもおすすめしている、子どもへの性教育について考えるきっかけになる漫画が『あの子の子ども』です。

1話は無料で試し読みができます。試し読みはこちら

『あの子の子ども』1巻(著:蒼井まもる/講談社)ご購入はこちら

高校2年生の福(さち)と宝は幼なじみのカップルで、家族同士の付き合いもあります。2人が初めて結ばれたのは15歳の夏でした。

ある日、「生理が来ない」「食欲がない」など体調に異変を感じた福は、以前宝との性行為中にコンドームが破れたことを思い出します。不安になった福は、知り合いに会わないよう遠く離れた町まで行って妊娠検査薬を購入し、ファミレスのトイレへ。一呼吸おいて検査薬を見た福の目に飛び込んできたのは、妊娠していることを示す”陽性”の反応でした。

福ははたしてどんな決断をするのでしょうか。そして、相手の宝の反応や互いの家族の意見は――?

物語を通して、ご自身はどの登場人物の考えに近いのか、もし自分の子どもが福や宝のような立場になったら親としてどう対応するのか、そんなことを考えるきっかけになる作品です。

『あの子の子ども』3巻は5月13日より発売中! ご購入はこちら
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