小泉悠に聞く「子どもに戦争をどう教えるか?」 ドローンやAIの登場で「古典的な戦争」になった理由

東京大学准教授・小泉悠先生に聞く、AI・ドローンと現代の戦争 #1 (2/4) 1ページ目に戻る

東京大学准教授:小泉 悠

戦争で起きる被害や頻度を減らすことはできる

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──ドローンやAIが戦争で使われていることをニュースで耳にします。とはいえ、AIもドローンも私たちの生活に欠かせないものであるのも事実です。人類の発展や経済の発展と戦争が切り離せないのだとしたら、この矛盾に私たちはどう考えていけばいいのでしょうか?

小泉悠先生(以下、小泉先生):「道具は使いよう」という言葉がありますよね。包丁は美味しい料理も作れるけれど、人を殺めることもできる。つまり意思を持たない道具は、使う側の意思次第です。技術自体は、常に価値中立なものなんです。

実際、いま僕らが当たり前のように使っているテクノロジーは、たいてい軍事技術から生まれています。たとえば冷蔵庫。冷媒でものを冷やす技術が最初に使われたのは、戦艦の弾薬庫です。弾薬が暴発しないように、温度管理のために真っ先に導入されました。

ホッチキスも、もとは機関銃をつくっていた会社の技術がもとになっています。人類の発展と戦争は、もともと表裏一体のものだったと僕は考えています。今になって急に人類が堕落して、技術との関係が悪くなったわけではありません。

ケネス・ウォルツの『人間・国家・戦争』という国際政治学の古典本では、なぜ戦争が起きるのかを「政治家個人の資質」「政府のあり方(民主主義か独裁か)」「国際システムのあり方」の3点で説明しています。

小泉先生:一方僕は、身も蓋もないですが「人間はタンパク質でできた生命体なので、死んだら生き返れない」。だから「殺すぞ」という脅しが、究極の強制力になってしまうと考えています。

暴力が一定の価値を持ってしまう以上、戦争をなくすのは残念ながら簡単ではありません。ただ、戦争で起きる被害や頻度を減らすことはできるはずです。

“戦争をなくすこと”を終点に置きつつ、その終点までの長い過程の中で、暴力をもって暴力を抑制する「抑止」という考え方も必要になってくるでしょう。

もちろん「抑止」そのものが緊張を高めるという意見もありますが、じゃあ「代わりに何をするのか」ということは、やっぱり問われなければいけないし、私たち自身も考えなくてはいけないと思います。

ドローンが戦地の空を埋め尽くす時代

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