年越しそばの由来と意味は? いつ食べるのが正解?〔専門家が解説〕

【年末年始】親子で話したい日本の行事 ~年越しそば編~ (2/3) 1ページ目に戻る

和文化研究家:三浦 康子

なぜ年越しそばを食べるの?

細くて長いそばは、家督や財産、人の命が長く続くよう願う縁起物として親しまれていました。「年越しそば」にはさまざまないわれや、その意味にちなんだ別名があります。

例えば、その年の不幸や苦労などの災厄を断ち切る、という意味が込められているのは、よく知られていますね。昔のそばは、つなぎのない十割そばが基本で、非常に切れやすかったことから「縁切りそば」ともいうそうです。

写真:beauty_box/イメージマート
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元旦に一斉に年を取る「数え年」の習慣から「年取りそば」という言い方もあります。他にも、細くて長いそばの形状から長寿を祈願する「長寿そば」、あるお寺でそばを振る舞ったところ、翌年みんなの運が上がったことから「運気そば」など、いろいろな名称で親しまれています。

薬味にも意味がある

年越しそばを食べるときにかかせない、薬味のねぎにも込められた意味があります。

一つめの意味は疲れをねぎらう「労ぐ(ねぐ)」。二つめは祈りを意味する「祈ぐ(ねぐ)」。三つめは、神社に奉仕する神職の「禰宜(ねぎ)」という言葉にかけられています。

これらの言葉にかけて、一年の苦労をねぎらい、新年の無病息災を祈るという意味につながります。ぜひ、たっぷりとねぎをかけて召し上がってください。

具材にも由来がある?

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