
夏の山でクマと鉢合わせたら! 子連れレジャーで全親が絶対知っておくべき「子どもの命を守る行動」[専門家が解説]
#2 夏の子連れレジャーの“クマ”対策「サバイバル編」岩手大学農学部 山内貴義准教授インタビュー (3/3) 1ページ目に戻る
2026.08.03
岩手大学農学部准教授:山内 貴義
実は、子どもがクマに襲われるケースは非常に少ないといいます。このテーマは講演会などでも必ず話題に上がるそうです。
「私が知る限り、約25年前に岩手県で、自転車に乗っていた中学生が後ろからクマに押し倒されて負傷した事故はありました。しかし、子どもが被害に遭った事例は国内ではほとんど聞いたことがありません」(山内准教授)
被害者の多くは60代以上であり、なぜ子どもの被害はまれなのか、その理由は分かっていません。
ただし、海外では子どもが被害に遭う事例も複数報告されています。親子連れや学校行事中の集団がクマに襲われたケースもあり、子どもだから安全というわけではありません。
「2009年に岐阜県の乗鞍岳畳平バスターミナルで、クマが観光客や従業員など10人を次々に襲って重軽傷を負わせた事故のように、何らかのきっかけでクマがパニックや興奮状態に陥った場合は話が別です。
そうなると、ターゲットを特定せず、目の前にいる人間を次々と無差別に襲撃する危険性があるため、子どもであっても決して例外ではないでしょう」(山内准教授)
こうした被害を防ぐためには、正しい知識と適切な備えが欠かせません。さらに山内准教授は、「クマはただ恐ろしい動物」というイメージだけで終わらせてほしくないと話します。
「近年、市街地に出没するクマは『アーバンベア』と呼ばれ、あたかも新しい生態のクマが誕生したかのように報じられることがあります。でも、クマ自身は何も変わっていないんです」(山内准教授)
なぜ、人とクマが遭遇する機会がこれほど増えたのか。私たちはこれからどう向き合っていけばいいのでしょうか──。
次回は、小学校での出前授業も行う山内准教授に、子どもといっしょに考えたい「野生動物や自然との向き合い方」について分かりやすく解説していただきます。
取材・文/稲葉美映子
※2回目/全3回
1回目「準備編」を読む
3回目「環境教育編」を読む※2026年8月4日より公開
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稲葉 美映子
フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。
フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。



































山内 貴義
岩手大学農学部 地域環境科学科准教授(野生動物管理学研究室)。農学博士。 クマをはじめ大型野生哺乳類の生態や、人と野生動物が共存するための科学的根拠に基づく保護・管理手法を研究。 明治大学農学部卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。岩手県環境保健研究センター主任研究員を経て現職。自治体や教育機関などで、クマとの共存や野生動物対策に関する講演・普及啓発活動にも積極的に取り組む。
岩手大学農学部 地域環境科学科准教授(野生動物管理学研究室)。農学博士。 クマをはじめ大型野生哺乳類の生態や、人と野生動物が共存するための科学的根拠に基づく保護・管理手法を研究。 明治大学農学部卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。岩手県環境保健研究センター主任研究員を経て現職。自治体や教育機関などで、クマとの共存や野生動物対策に関する講演・普及啓発活動にも積極的に取り組む。