祝・全国ユース珠算大会U10で初優勝! スーパーキッズを育てたママの試行錯誤

「子どもに何を教えていいのかわからない」から教育をスタート 子どもの力を伸ばしたママに聞く教育術#1

親ができることは、子どもの“やりたい”をサポートしてあげること

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幼稚園の年中からそろばんを始めた旺汰くんは、教室に通うことが楽しくてたまらないと祐香さんに話していたそう。ほどなく、そろばんを習う1回の時間を長くします。

「そろばんの授業は親は教室内に付き添えないので、私は息子が何をやっているのかわからなかったのですが、終わるたびに『楽しい、もっとやりたい』という言葉を聞きました。

何が楽しいのか聞いてみると、『答えがスパッと出たときにスッキリする』とか『なぞなぞを解いたときみたいに爽快感がある』と話してくれました」(祐香さん)

祐香さんは子どもの「もっとやりたい!」という姿勢を大切にしようと、教室通いに付き添います。そして、楽しい気持ちを持ったまま旺汰くんが年長に上がると、変化が起きました。

「同じ教室の先輩がそろばんの大会に出たんですが、その報告プリントが教室で配られました。レポートを見て、息子が自分も大会に出てみたいと言い出したんですよ」(祐香さん)

そろばん教室は楽しく通っているものの、旺汰くんの実力が大会に出られるレベルにまで達しているのかよくわからなかった祐香さんは、判断に困りました。そこで、意欲的になっている旺汰くんの自主性を促すような声かけをしてみます。

「親の私から先生に相談するのではなく、『自分が出たいのだから、自分で先生に聞いてごらん』と話して、本人から相談をさせてみたんです。息子の言葉を受けて、先生も前向きに考えてくださいましたね。

ただ、大会に出るには教室で行われるテストをパスする必要があったので、まずはそこを目指して練習することになりました」(祐香さん)

子どもの「やりたい!」という気持ちは自主性を育てる絶好のチャンスです。  イメージ写真:アフロ

教室内のテストを受け、少し頑張ればできるかもということで旺汰くんはさらに練習を重ね、年長時の9月に念願の大会出場を果たします。

「初めての県大会は、小学3年生以下の部で入賞をいただきました。この経験がきっかけとなり、先生から全国暗算技能検定での最年少十段を目指さないかと話をいただいて、それが息子の気持ちをさらに盛り上げました」(祐香さん)

十段を目指そうとしていたころ、旺汰くんはそろばんのほかに幼稚園の課外教室で英語を習っていたのをはじめ、テニスやピアノなどさまざまな習い事にも挑戦しています。その後、小学校に上がった際に本人が辞めたがっていたテニスなど、ひと区切りをつけたものもあります。

たくさんの習い事を経験している旺汰くんですが、中澤家ではそれ自体の向き合い方は基本的に旺汰くんに任せています。そして、親は子どもが抱いた「好き」の気持ちを伸ばすことに徹しています。

幼いうちから、子どもの興味関心事や才能を見抜けられるのは理想的ですが、偶然の出合いや家庭環境、子どもの反応など、その場の流れやチャンスに身を任せてみるというのも子育ての形です。

最初から具体的な教育方針を持っていなかったとしても、中澤家のように、いろいろ試しながら方向性をつかんでいく方法もひとつのやり方といえるでしょう。

第2回は、学校の勉強とそろばん、そのほかの習い事における親側の距離の取り方などを紹介。また、旺汰くん自身のコメントもお届けします。


取材・文/梶原知恵

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かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。