パパの在宅ワークは子育ての味方になる
授乳にオムツ替え、抱っこや寝かしつけ、育児は待ったなしです。リモートワークができるパパは在宅時間を上手に使うことはもちろん、仕事の関係者に事前に伝えておくことも大切だと工藤さんは言います。
工藤さん「時間の融通がききやすい仕事だったため、10年ほど前から必要に応じてリモートワークを実践していました。双子が生まれてからは仕事の時間も工夫したうえで、会議等はできるだけオンラインに。あらゆる予定に“ドタキャンがあり得る”と事前に伝えておき、どうしても会う必要があるときは、我が家の最寄りまで来てもらいました。そうすることで、やっと双子の世話がしっかりできたのです。
保育園へ入れても、風邪をもらったり、発熱したりしたら休まなければならない。急な予定変更が勃発するため、双子が1歳になるくらいまでは、僕の代わりがきかない講演等の仕事は断るなどしていました。もちろん飲み会もオンラインです(笑)」
今は、世界的パンデミックでネガティブな空気が蔓延していますが、在宅ワークでパパが家にいることは子育てにとってポジティブな一面も。また、在宅ワークができるできないに関わらず、少なくとも生まれてすぐの新生児期から数ヵ月間は、パパも家にいる時間を確保しましょう。
多胎育児で工藤家を救った4つの“神器”
さらに多胎育児は、育児グッズでストレスを軽減することができます。お金はかかりますが、心身の健康が優先と考え、グッズで解決できる部分はそれで手を打ち、多胎育児に「余裕」を作りましょう。一例として、工藤さんが実際に購入したアイテムをご紹介するので参考にしてみてください。
工藤さん「我が家にどうしても必要だったのは、まず着脱式のチャイルドシート。乳児を乗せたまま、キャリーとしても持ち運びできるタイプを2つ購入しました。寝かせたまま移動できるし、お風呂の脱衣所で待たせる間にも使えて、ハイハイ期は座らせてバックルをすれば後追いも防げました。金額が高いわりに1歳過ぎまでしか使えないのがネックでしたが、それでも買ってよかった。
あと重宝したのはハイチェアです。大人が手伝わない限り抜け出せない仕様の椅子で、3歳児でも抜け出せないくらいのサイズを買いました、これももちろん2台。目を離しても、イスから落ちる心配がないのでとても助かりました。
2人乗りベビーカーは絶対必須ですよね。そのほかに使ってよかったのは“ふたごじてんしゃ”。長距離は車、近場ならベビーカーでしたが、1キロ程度のお出掛けは“ふたごじてんしゃ”が本当に役立ちました。三輪で安定感があり、小柄な妻でも安心して出かけられましたよ」
2人乗りベビーカーは、子どもが前後で座り横幅が細い縦型タイプと、幅は取るけど子どもが横並びで座れる横型タイプがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので住まいや環境に合わせて使い勝手の良い方を選びましょう。
ママの気分の乱高下は“今だけのもの”と受け入れる
産後のママは、ホルモンバランスの乱れ、回復しきれていない体調、睡眠不足とさまざまな要因が複雑にからみあって疲れ果てています。疲労困憊の余り、不条理な発言が出ることも。そんなママとの子育ては、ときにパパにとって想像以上に大変と感じるかもしれません。
「単胎の家庭に比べて、多胎家庭のお母さんは普段から綱渡り状態、ギリギリで子育てしています」と市倉さん。でもそれらは精一杯子どもと向き合っている証だとパパは理解しましょう。助けてくれる人や便利なグッズ、各種サービスなど、頼れるものには頼りながら、新生児から乳児期をパパ・ママで一緒に乗り越えましょう。
松倉 和華子
編集プロダクション勤務を経て、2017年にフリーランス・編集ライターとして独立。 雑誌、ウェブメディア、オウンドメディアなどを中心に取材記事やインタビュー原稿を執筆。2歳の双子女児の母。
編集プロダクション勤務を経て、2017年にフリーランス・編集ライターとして独立。 雑誌、ウェブメディア、オウンドメディアなどを中心に取材記事やインタビュー原稿を執筆。2歳の双子女児の母。