
子育て中の「漫画を読むプロ」に【子ども×漫画デビュー】を直撃取材! 子どもが「漫画」を読むのに親がルールを作るワケとは?
「漫画研究家の本棚」 #1 比治山大学短期大学部美術科講師・久保直子先生
2025.05.21
漫画に夢中になりすぎて生活リズムが崩れた!
──おうちで漫画を解禁したことで、お子さんの生活に変化はありましたか?
久保先生:あります。娘が『SPY×FAMILY』(著:遠藤達哉/集英社)に夢中になるあまり、「読みたい!」という気持ちのコントロールができなくなり、生活のペースが乱れてしまう、ということが起きました。
ごはんや歯磨き、お風呂などのタイミングでも、隙間時間があればすぐ読もうとする。やらなければいけないことも分かっているけれど、先を読みたいのに読めなくてイライライラ……、といった状況になってしまったのです。
「これはいけない」と思って親がいったん、全巻預かって隠すと、親の目がないときに娘があちこち探すというイタチごっこに。
隠せば『SPY×FAMILY』への興味は薄れるかなと思っていたのですが、彼女の中で漫画の楽しさは変わらなかったようで、本棚にあった『COJI-COJI(コジコジ)』(著:さくらももこ/集英社)や『ドラえもん』(著:藤子・F・不二雄/小学館)などを読むようになりました。
漫画の世界に夢中になってしまうのは仕方ないですし、問題が起きて本をしまわれたことに対して娘は反省もしていたので、今は『SPY×FAMILY』も本棚に戻しています。
ルールを決めた漫画タイムは「就寝前」のお楽しみに
久保先生:それからは、子どもたちの漫画タイムを決めました。夜ごはんを食べて歯磨きをし、入浴。お風呂から上がって髪を乾かし、あとは布団に行くだけという状態で、親の片付けや寝る支度を待つ数十分の間は漫画を読んでいいことに。お風呂上がりは部屋全体を暗くするので、唯一明るい洗面所の傍が定位置です。
子どもたちもお風呂に入って体がポカポカしていると、だんだん眠くなってきますし、「この後は寝る」という流れを理解しているので、最近はそこまで揉めなくなりました。
