
歯磨きイヤイヤ期に効く! 楽しく読める「歯磨きの絵本」おすすめ3選[絵本の専門家が選出]
子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #16~歯磨きの絵本~ (3/4) 1ページ目に戻る
2026.04.18
絵本コーディネーター:東條 知美
同じ“どきっ”でも意味が違うからおもしろい
次にご紹介するのは、数々の名作を生み出してきた絵本作家・五味太郎さんの『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』(偕成社)。発行は1984年と40年以上前ですが、今でも決して古びない、子どもたちに大人気のロングセラー絵本です。
描かれているのは、虫歯が痛いわにさんと歯医者さんが繰り広げる、診察室を舞台にしたワンシチュエーションドラマ。異なる立場のふたりが、違うことを思いながらも同じ場面で同じ言葉を発するという、愉快なストーリーです。
歯が痛いわにさんは、足取り重くイヤイヤ歯医者へ向かいます。
「ゆっくり あそんでいたいけど いかなくちゃ いけないね」
一方、遊びに夢中だった歯医者さんは、患者がやってきたことに気づきます。
「ゆっくり あそんでいたいけど いかなくちゃ いけないね」
そうしてふたりは、診察室で対面します。
「どきっ」
「どうしよう……こわいなあ……」
「でも がんばるぞ」
わにさんが怖がっているのは、もちろん歯の治療。でも歯医者さんだって、鋭い歯を持つわにさんを治療するのが、実は怖いのです。同じ「どきっ」「がんばるぞ」でも、こんなに意味が違うっておもしろいですよね。
ふたりの心理は、表情豊かに描かれた絵から読み取れます。言葉と絵の両方があるからこそ、小さなお子さんでも、このドラマをスリリングに楽しく読み進められるのですね。絵本ならではの魅力をじっくりと堪能できる一冊ではないでしょうか。
無事に治療を終えて、ほっとしたわにさんと歯医者さんですが、やっぱり歯を抜かれるなんてイヤですよね。最後のふたりの言葉、きっとお子さんにもメッセージとして届くと思います。
「だから、はみがき、はみがき。」
*読み聞かせ 3さいくらいから
*ひとり読み 5さいくらいから




















































































