
【登校して学校から即連絡】子どもの困った行動が劇的に変わる親の考え方と接し方〈発達行動小児科学の専門家が伝授〉
我が子の困った行動が大きく変わる 親の考え方と接し方 #1
2025.08.21
子どもの困った行動を変えるテクニックを親はすでに持っている!?
落ち着きがないなど、毎日のように繰り返される子どもの困った行動にヘトヘトになっている親御さんはたくさんいます。
こういった場合、気になる行動を直す方法として言い聞かせやしつけがありますが、宮尾先生は気にかける点が違うといいます。
「親は、我が子の困った部分にどうしても目を向けてしまいます。でも、意識を向けるのはそちらではありません。
たとえば、子どもが他人とうまく話せなかったり、友だち関係が思うようにいかなかったりするなら、『うまく話せる人は、なぜそれができるのか?』『友だちとうまく関係が築ける人は、なぜそれができるのか?』が、着目するポイントです。
つまり、親御さんは他人と話したり、友人と仲良くやっていたりするわけですから、『我が子の行動を直すには、どうすればいいのか?』ではなく、まずは『自分はなぜそれらがうまくできるのか?』を考えてみましょう。
そしてそのテクニックを、子どもの前で実践して、我が子にやり方を教えてあげてください。そうすれば問題に思っている部分は、次第にやわらいでくるはずです」(宮尾先生)
大人は、顔見知り程度の人とも挨拶くらいは簡単にできます。「いい天気ですね」や「忙しそうですね」といったコミュニケーションのパターンをいくつも持っています。
子どもの困った行動を変えるテクニックは、実は親御さん自身がすでに持っていることが多いので、まずは自分を見つめ直すことが大切です。加えて、子どもの前で自分のやり方を実践してコツを伝えていくといいでしょう。
親は子どもの成長を待つことも大事
「私はたくさんの子どもたちを診て、経過観察もしてきています。
そこで何がわかったのかというと、落ち着きがないとか、ちょっとの時間も席に座っていられないといった子でも、小学校高学年まで問題行動が続く子は少ないということです。
大半の子が落ち着いてきますし、ちゃんと座っていられるようになります。発達障害やその傾向にあるグレーゾーンと思われる子でも、社会性や情動の発達が追いついて行動がおさまるケースもあるのです。
子どもたちは自分の周りの人々を自分の目で見て、自分でいろいろと考えて、適用させていきますから、親御さんは今すぐにどうにかしたいと思うかもしれませんが、我が子の成長を待ってあげることも大切です」(宮尾先生)
ただし、「待つ」間には、我が子に集団で遊ぶ機会を与えたり、社会生活を送る上での知恵やテクニックを教えてあげることは必要です。
子どもが社会の中でうまく立ち回れる方法は、生活する中で少しずつ伝えていきましょう。