保健室の先生が教える「子どもの心をみる」6つのとっておきテクニック

我が子の悩みがわかる! 保健室の先生に学ぶコミュニケーション術#2

「みる」を使って子どもの不安を具体化する方法

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子どもの心に寄り添うには、まずは6つの「みる」のうちの「見る」「観る」「視る」を使って子どものサインを察知します。その上で、次のプロセスで子どものストレスを具体化し、ケアしていきます。

プロセス4)深刻になりすぎないように注意しながら質問をする「診る」

学校でいうならば、ここからが保健室の先生の領域です。子どもとの距離をグッと縮めていくプロセスに入ります。保健室では5W1H(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように)を尋ねる「問診表」を使ったり、子どもから発信されている非言語メッセージを診たりします。

非言語メッセージとは、声のトーンや表情、行動、態度などのことです。子どもに声をかけたときに暗い様子、あるいは無理に明るく振る舞おうとしていないか、目線をそらしたりしないかなどがそれにあたります。

診るときは体にも注目しますが、ここでは病院へ行く必要があるか、手当てが必要かどうかを確認します。「診る」が保健室の先生の領域である理由はここにあります。学校内で子どもの体に触れることを許されているのは、保健室の先生だけなのです。

診る段階では、おうちでもケガやヤケドをしていないか確認してみましょう。ただし、「いつ誰にやられたのか」を聞くのはNGです。ここではなぜそうなったのか、どこに打ち付けたのか、何で切ったのかなど、ケガの原因のみを尋ねます。

頭痛や腹痛などの目に見えない症状なら、どのあたりが痛むのか、どんな痛みなのか、痛みに心当たりはないかなどを聞くのにとどめます。

次は家庭用に作り替えた2つの問診表です。これに沿って現在の状況を確認して、子どもの体調を診ていくのもいいでしょう。ただし、大人が過剰に反応して、深刻になりすぎると子どもは萎縮してしまうので、淡々と聞くことが大切です。

高学年の子どもへのボディタッチに注意
子どもにも自分のテリトリーというものがあります。高学年の子どもの場合は特に注意が必要で、5~6年生の男の子は誰かに体を触れられるのを極端に嫌う傾向にあります。保健室では必ず本人に触っていいか、許可を得てから触れています。

おうちの方にとってはいつまでもかわいい我が子ですが、男女ともに高学年の子どもに触れるときはテリトリーに入りすぎないように注意しましょう。

子どもからスキンシップを求めてきた以外は許可なく触るのをやめ、スキンシップを図りたいなら、女の子なら髪をとかしてあげたり、男の子なら耳掃除をしてあげたりなどで親子関係を深めるといいでしょう。

プロセス5)心身の健康を取り戻すために、会話を重ねてケアする「看る」

プロセス4の「診る」段階で、ケガや病気などの対応に緊急性がなさそうなら、子どもとの会話を重ねていきます。

おうちなら家事のお手伝いをしてもらいながら、いろいろと話題を振って話すといいでしょう。一緒の時間を過ごしているうちにリラックスしてきて、子どものほうから話を始めたら少しずつ核心に触れていくようにします。

ただし、子どもにネガティブな発言や態度があっても責めたり、否定したりすることはNGです。プロセス5の看るは、心身共に健康を取り戻すための段階なので、子どものストレスを軽くすることを優先してください。

プロセス6)子どもが相談できる時間を作る「相る」

「みる」プロセス最後の「相る」は、相談の意味を持ちます。学校では、プロセス5を経てもストレスを軽くできていない場合、その子の話に耳を傾けるために場所を確保し、時間を取って対応します。

家庭で相るときも同様です。お手伝いの延長や食事時間ではなく、しっかりと別の時間を設けましょう。家の中でも外でも、親と子どもだけの空間で、仕切られた部屋あるいは話が漏れない場所で会話をするのが理想的です。

また、会話をする際は向かい合うよりも隣に座るほうがいいでしょう。プレッシャーが少なくなるので、子どもはポツリポツリと話してくれるはずです。

「相る」の最終目的は子どもの自立を促すことです。つまり、人生でつらいことがあっても乗り越えていける(自己肯定感が土台となっている強い心)を持てるように導いてあげることです。

そのためにも「相る」ときは次のことに注意しましょう。

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