森永流 親子で「お金のリテラシー」アップする家計簿&つみたて投資

森永家のおカネの使い方・増やし方 親子でお金のリテラシーをアップデートしよう!#4

編集者&ライター:奈良岡 周

「金融教育を学校任せにせず、親が担っていくことが大切」と語る、経済アナリストで金融教育の専門家、森永康平さん。お金の知識を得るには、まず実践してみることが最高の学習です。子育てや仕事に忙しくても、ちょっとしたスキマ時間にできるローリスクな方法をお知らせします。  ※連載全5回の4回目

経済アナリストで金融教育の専門家、森永康平さん

子どもに「銀行って何するお店?」と聞かれて説明できますか

自分たちは親からお金の「貯める」以外の選択肢を教わってこなかったし、大人になってもきちんと学ぶ機会もなかった。

父親(森永卓郎氏)が経済アナリストという職種だった我が家が特殊なだけで、おそらく日本の家庭のほとんどがそうだったかもしれません。

子どもと一緒に街を歩いていると、こういうシチュエーションって、よくありませんか? すでに名前を知っているお店を指さして「セブン-イレブンだ! コンビニだ!」と連呼する。

そうした流れで、長女から「あのお店は何?」と聞かれたことがあります。長女が指さしたのは銀行でした。店外に貼ってある投資信託などのポスターの下に、好きなキャラクターのぬいぐるみがあったので興味を持ったようです。

「銀行って言うんだよ」
「銀行って何するお店?」


大学時代に集団塾で塾講師のアルバイトをしていた経験もあり、比較的、子どもからの直球な質問には慣れているはずの僕にとっても、説明が難しい質問でした。

「お金を預けるお店だよ」
「なんで預けるの? 私たちはおこづかいをもらうと豚の貯金箱に入れてるよ」
「銀行にお金を預けてくと、少しだけ増えていくんだよ」


増えていく仕組みを、子どもにわかりやすく説明できますか?

子どもの質問はシンプルですが核心をついてくるので、意外と答える難易度が高いのです。

僕たち親世代は、義務教育はおろか、大人になるまで銀行の機能について学ぶ機会がありませんでした。子どもたちにきちんと教えてあげたいけど、親が説明すること自体がそもそも難しい。

わかりやすく説明できるようになるには、まず親がお金について学んでいかなければいけません。

僕はいつも「実践こそが最高の学習」と考えています。実践を通して体感し、その経験を咀嚼して理解することで、子どもたちにも身近な例を使うなどして分かりやすく説明できるようになるのです。

また、勉強をする際にはその姿を子どもに見せることをお忘れなく。親のそうした姿勢に影響を受けて子どもも勉強するようになるものです。

次は、子育てや仕事に忙しい親でも、ちょっとしたスキマ時間に始められる方法をお話しします。

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