子ども自身が考えたからみんな楽しい! 最新インクルーシブ公園に届く喜びの声

シリーズ「インクルーシブ公園」最新事情#4‐2 品川区・公園建設担当インタビュー ~これからの公園~

ライター:星野 早百合

地域の声を汲み上げた公園づくり

──公園がオープンして約半年が経ちました。利用者の反応はいかがでしょうか。

佐藤さん 完成直後のお披露目会では、子どもたちから「ブランコの種類が多くて選べるのがいい」「車いすのままスロープで上がれてよかった」「車いすでも遊べる遊具がたくさんあってよかった」といった声がありました。

皿型ブランコのアイデアを出した女の子からは、「『青空を見ながら乗れるブランコに乗ってみたいな』と思って提案したら採用されてうれしかった」との声もあり、私たちもうれしかったですね。

障がいを持つ子どもの親御さんからは、「子どもが初めてひとりですべり台を利用できた」「障がいのある子どもが、障がいのないきょうだいと初めて一緒に遊ぶことができた」と喜んでいただき、感激しました。

地域の方や子どもたちのアイデアを聞き、障がいを持っている子どもも、持っていない子どもも、さまざまな遊び方ができる場所になり、インクルーシブな公園だなと感じています。

──“自分たちで作った”という思い入れがあると、公園がより大切な場所になりそうですね。最後に、今後の品川区としての展望を教えてください。

種元さん 今、価値観が多様化していて、公園自体も地域の憩いの場としての機能だけでなく、防災への対応に使うなど、あらゆるニーズが生まれています。

そういった多様なニーズに対応するためにも、地域の意見を汲み上げながら公園を整備していく必要があると考えています。

佐藤さん 公園の改修は今後も引き続き実施していきますが、改修に合わせてインクルーシブな遊具の設置を検討していく予定です。

また、今回、子どもたちからいただいたアイデアを品川区のノウハウとして蓄積し、これからの公園改修に生かしていきたいと思います。

完成お披露目会では、工事体験会も実施。ワークショップに参加した子どもたちが、測量やモルタル塗りにも挑戦しました。  写真引用/品川区HP
同じく、工事体験会の様子。公園に使われるブロックでパズル遊びをする子どもたち。  写真引用/品川区HP

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全8記事に及ぶシリーズ「インクルーシブ公園」最新事情は、いかがでしたか?

5歳女児を抱えるママライターの私ですが、恥ずかしながら今まで「公園で遊びたくても遊べない子どもたちがいる」ことにさえ気づいていませんでした。

多様な子どもが遊べるインクルーシブ公園が広まれば、笑顔で遊べる子どもがもっと増えるはず。そして、私たち親や地域にも豊かな繫がりが生まれるはずです。

相手を知り、尊重し、思い合う──。

公園は、そうした人生の大切なことを学ぶ「いちばん初めの小さな社会」だと知りました。これから娘と一緒にさまざまなインクルーシブ公園へ積極的に出かけていきたいと強く思います。

取材・文/星野早百合

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ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。