【きょうだい児】 「弟の分もがんばれ」がNGな理由 親や大人が知るべき「子どもの権利」とは? 「きょうだい児の弁護士」が解説

弁護士・藤木和子先生が教える“きょうだい児”の見守り方 #2 親のNG行動&NGワード

弁護士:藤木 和子

藤木和子先生(以下、藤木先生) きょうだい児に限らず、すべてのお子さんにも言えることですが、きょうだい児の思いを否定したり、理不尽な対応をとったりしないように心がけていただきたいなと思います。

例えば、きょうだい児の中には「障がいのある兄弟姉妹のことを周囲に知られたくない」「兄弟姉妹のことで友達にからかわれるのが嫌だ」という子がいます。

きょうだい児が障がいのある子のことを「恥ずかしい」と言ったとき、親御さんもショックを受けて、つい「どうしてそういうことを言うの?」「人として最低よ」「お母さんは悲しい」などと責めてしまうことが少なくありません。

すると、きょうだい児は「私の気持ちはどこにいっちゃうの?」「私は愛されていないのかな」と感じてしまうのです。親御さんのつらい気持ちはもちろんわかりますが、「どうしてそう思う?」「気持ちを聞かせて」と、まずはきょうだい児の思いを受け止めていただきたいですね。

また、よくあるのが、障がいのある兄弟姉妹に大切な物を壊されてしまったとき。「壊されちゃったー!」と泣きながら伝えたのに、親に「出しっぱなしにしておくほうが悪い」「仕方ないでしょ! 我慢して」などと、まるで壊されたほうが悪いように言われること。

これは理不尽です。このような対応をされてしまうと、きょうだい児は納得できないことも我慢する“いい子”になってしまいます。こうした状況が繰り返されたら「◯◯のせいで怒られた」「◯◯には優しいのに、私には冷たい」と、親や障がいのある子に対して嫌だという感情が生まれてもおかしくないですよね。

健常者であるきょうだい児への期待値はつい上がってしまうものですが、まずは「壊されて悲しかったね」と気持ちに寄り添っていただきたいです。

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