「コロナ禍でのモンテッソーリ育ちの子どもたち」子育て相談 モンテッソーリで考えよう! (コロナ特別回)

特別回

モンテッソーリで子育て支援 エンジェルズハウス研究所所長:田中 昌子

日々、たくさんのお母さま、お父さまの相談にのっていらっしゃる田中昌子先生。今回は特別に、モンテッソーリ教育で育った子どもたちが、このコロナ禍でどのように過ごしているかをご紹介いただきました。驚きと羨望のレポートです!

※この記事は、2020年5月掲載の講談社絵本通信掲載の企画を再構成したものです。

新型コロナウィルスでわかった「モンテッソーリ教育で育つ力」

(イメージ写真/photoAC)
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誰がこのような状況を予想していたでしょうか。新型コロナウィルスという目に見えない脅威が、あっという間に世界全体に広がり、当たり前の日常が失われてしまいました。

ただ、私たちが気づいていなかっただけで、感染症の脅威は今に始まったものではありません。天然痘などは紀元前からあったようで、繰り返し人類を脅かしてきました。
モンテッソーリは、1932年にジュネーブで行った平和に関する講演の中で、14世紀に大流行したペストを取り上げ、「戦争のようなもの」と述べています。さらには、ペストによる死者が戦争よりも多く悲惨なものであること、生産性が落ちるために生活が困窮すること、元の状態に戻るのに時間がかかり、文化的な進歩が妨げられることなど、現代にも通用する分析を加えています。

新型コロナウィルスにより国と国は分断し、人と人との間にも物理的な距離を置くことが求められるようになりました。多くの人が外出を控え、人との接触を避け、在宅勤務が長時間にわたるなど、不自由な生活を強いられています。ストレスから家庭内暴力や児童虐待も増えているようですし、先の見通しが立たない不安は、人間の心をむしばんでいきます。

子どもたちも、幼稚園や保育園、学校が長期にわたって休みとなり、遊び場も学ぶ場も奪われてしまいました。お母様たちも、ただでさえ大変な子育てに追い打ちをかけるような事態となり、多くの悩みを抱えています。家ですることがない、勉強の遅れが心配、ドリルを買い込んでさせようとしてもうまくいかない、ゲーム三昧で口うるさく言ってもきかない、自分がイライラする、といった報道をよく目にします。

そんな中、私のもとには勉強会でモンテッソーリ教育を学び、家庭で幼児期から実践してこられた方々から、全く違う様子を知らせるレポートが続々届き始めたのです。そこに書かれている姿は、報道されているものとはあまりにも違いがあり、にわかには信じられないほどでした。

まず、小学生の子どもたちの様子をご紹介します。

コロナ禍でのモンテッソーリで育った小学生たち

レポート1(男の子3人の母)
「小学校が急に休校となり、長男(小6)と次男(小2)が自宅待機となりました。休み中の過ごし方をどうするか話し合った際、長男から”お昼ご飯は用意しなくていいよ。自分たちで作ってみるから”と言い出したのでやらせてみることにしました。
サッカー三昧の忙しい日々から一転、自由な時間が増えましたが、子ども二人だけで話し合いながら、家事、勉強、遊びと計画的に決めて生活する姿を見て、モンテッソーリ教育を受けた子どもの特徴なのかなと感じうれしく思っています」

レポート2(女の子の母)
「こんなときだからこそ、大人も子どもも、何ができるかを考えて自分で選び、自分から行動することが求められていると思います。自分で選択して、自分で行動する、学ぶ、 まさにモンテッソーリ教育そのものです。
娘(小6)は、2月末に休校になってからずっと、平日は主人と私のお弁当、そして夕食を毎日作ってくれています。献立は一緒に考えることもありますし、娘が食べたいもの、作りたいものになることもあります。クックパッドで美味しいレシピを検索するのも得意です。私より段取りも手際もよく、手間を惜しまないのです。
”後で楽になる”と勉強会で言われましたが、本当にそうです。疲れて帰ってきたら、夕飯ができているのですから」

お母さんのために小6が作ったお弁当 涙が出そうですね
家族のために夕食を作る 小6とは思えない包丁使い
唐揚げ、ポテトサラダ、豆ごはんなど全部小6の手作り
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