
【令和の最新子育て】「習い事の迷信と勘違い」無理に習い事を続けさせてた“悪影響“を〔教育評論家〕が解説
子育てにまつわる「これ本当?」がわかる 令和の最新子育てメソッド #2
2025.07.24
教育評論家:親野 智可等

その習い事、親の価値観の押し付けになっていませんか?
子どもの習い事を選ぶ際、親が子どものときに習いたかったものや、親がやっていたから子どもにも習わせるパターンがあります。これについても親野先生は、我が子をよく見るようにと注意をうながします。
「習い事は、親が子どものときに習いたかったものや、親がやっていたから子どもにも習わせるもののほかに、東大生や社会的に成功した人が子どものときにやっていたもの、脳への影響などを参考に選ぶことがあります。
しかしどれも、親御さんが自分の価値観を子どもに押し付けていると私は考えます。我が子とは関係のない情報で動き、選択しているので、まずはそれをわかってください。
習い事選びは、親御さんが子どもに『こういうのがあるんだよ』と推薦や紹介するのは構いませんが、あくまでも子どもの意思を尊重することが肝心です。
そして、試しにやってみて、我が子がおもしろさを感じないのならその習い事はやめましょう。そこは潔く、親御さんは諦めるべきです」(親野先生)
子どもが習い事の楽しさに気づくまでやらせてもいい?
おもしろさを感じる・感じないという点では、子どもが習い事の楽しさに気づくまでしばらく通わせてみたいという親御さんもいます。これに対してはどう考えるべきなのでしょうか。
「親御さんがかつてやっていたバスケットボールを子どもにも習わせ、数年かかってようやく子どももバスケのおもしろさに目覚めたという話を聞いたことがあります。
もちろん最終的に楽しくなることがあるかもしれませんが、おもしろさに気づくまでの間、子どもは非常に苦しい時間を過ごします。それにやり続けても好きになれないケースもあるので、この事例は非常にリスクが高い方法だと思ってください。
私の経験上、おもしろさに気づけずに精神的ストレスを抱える子どものほうが多いと感じます。
また、習い事を始めた理由が、自分がやりたいことではなく親から与えたれたことなので、これからのAI時代を生き抜くためのいちばん大事な資質が身につきません。
今の子どもたちが大人になった社会では、自分がやりたいことを自分で見つけて、自分で突き進んでいくという主体的な自己実現力が必要です。与えられたことでは、これは育ちません」(親野先生)
昭和の習い事論も手放そう
気が乗らない習い事でも、頑張ってやり続けると忍耐力や根性がつくとも聞きますが、親野先生は「それは昔の考え方です」とハッキリいいます。
「忍耐力や根性などが身につくのは、本人が前向きに取り組んでいるときです。自分がやりたいことに主体的に動き、困難に向かっているときにそれらはつきます。
嫌なものを無理にやらされ続けても、忍耐力や根性がつくどころか弊害のほうが多いということを、どうか親御さんにはわかっていただきたいです」(親野先生)
親野先生直伝 令和の最新子育てメソッド
習い事は、子どもの意思を尊重すること。
我が子がおもしろさを感じないならその習い事はやめてOK。
忍耐力や根性は、子どもが前向きに取り組んでいるときに育ちます。
次回は、勉強に関する迷信・ウソ・作り話・集団的勘違いなどについて解説します。勉強の妨げになるゲームやスマホについても、令和の対応法を紹介します。
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◆親野 智可等(おやの ちから)
教育評論家
長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。子育て世代に寄り添ったSNS投稿も話題で、「ハッとした」「泣けた」という声が多数寄せられている。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも講師を務め、オンライン講演も経験豊富。著書に『親の言葉100 ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける』(グラフィック社)など。人気マンガ『ドラゴン桜』(講談社刊)の指南役としても知られている。
【令和の最新子育てメソッド】の連載は、全3回。
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※公開日までリンク無効
取材・文/梶原知恵

梶原 知恵
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。
親野 智可等
長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。子育て世代に寄り添ったSNS投稿も話題で、「ハッとした」「泣けた」という声が多数寄せられている。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも講師を務め、オンライン講演も経験豊富。著書に『親の言葉100 ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける』(グラフィック社)など。人気マンガ『ドラゴン桜』(講談社刊)の指南役としても知られている。 教育評論家・親野智可等ホームページ 「親力(おやりょく)」
長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。子育て世代に寄り添ったSNS投稿も話題で、「ハッとした」「泣けた」という声が多数寄せられている。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも講師を務め、オンライン講演も経験豊富。著書に『親の言葉100 ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける』(グラフィック社)など。人気マンガ『ドラゴン桜』(講談社刊)の指南役としても知られている。 教育評論家・親野智可等ホームページ 「親力(おやりょく)」