【算数・国語/作文に学力の差】嫌いな教科を前にダラダラする子どもに親が勧めるべき勉強法〈発達行動小児科学の専門家が伝授〉

我が子の困った行動が大きく変わる 親の考え方と接し方 #3

得意科目・不得意科目で勉強姿勢に差がある場合の対処法

計算問題やその他の算数の問題には取り組むけれど、苦手な国語や作文になると寝転がったり遊んだりし始めるなど、困った行動を見せる子どもはたくさんいます。

教科の好き嫌いや得手不得手はどんな子どもにもあるものですが、その差が大きいのは困りものです。取り組む姿勢を育てて、苦手意識を少しでも克服する方法はあるのでしょうか。

「国語系に比べたら算数のほうがまだ積極的に取り組むといった場合、算数の力をまずは伸ばして、国語系はあとから力をつければいいかというと、そうではありません。

かといって、正面きって苦手な国語系を勉強させるのも違いますし、日常生活に必要な漢字だけをまずは勉強させるのも違います。

こんな方法では、いつまでも子どもの勉強に対する困った態度はおさまらないでしょう。ここは、親側が勉強への考え方ややり方を変えることが肝心です。

算数に抵抗がないのであれば、子どもに算数のテキストを読んでもらったり、数学者の本を読むことを勧めて、子どもと国語の接点を作ってあげましょう

あるいは、子ども自身がやっていることを誰かに説明させて、文章を組み立てる勉強につなげるのも手です。

子どもの生活と国語の学習をつなげて、苦手な教科の力を伸ばしてあげてください」(宮尾先生)

宮尾先生のテクニックを応用すると、何かを作ることが好きな子で、算数嫌いの子どもであるなら、料理やDIYで接点ができそうです。料理に使う計量カップや計量スプーンでは単位に、DIYでは角度や立体の展開図に触れることができるでしょう。

真正面から苦手な教科を勉強しなさいといっても、子どもはダラダラするばかりです。それよりも我が子の生活の中から、教科につながる体験を探してみましょう。

国語が苦手な子どもに親がやらせたこと

「今は立派な大人になって、社会で活躍している男性のお話です。ご本人は勉強の中でも、読むこと自体が苦手だったとおっしゃる方がいました。

その方がご自身の子ども時代を振り返っていうには、教育者だった自身の父親から偉人伝や歴史の本を読むように勧められたそうです。

小学校1年生から親御さんにそういわれて読書をしたところ、苦手をかなり克服したといいます。

読書は勉強だけでなく、子どもの精神的な成長もあと押しします。特に、偉人伝には希望が湧く結末も多いので、マインド全体にもいい影響があるでしょう」(宮尾先生)

偉人伝には悲劇的な結末もありますが、主人公の生涯を通して、歴史やその時代の社会、人々の考え方への理解も育みます。マインドだけではない影響も期待できるでしょう。

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