「令和の思春期」大暴れ・スマホ依存・反抗期がない… 親がとるべき対応を専門家が徹底解説

スマホを取り上げたら大暴れ! どうすればいい? 思春期の反抗期 乗り切りガイド#4

明治大学文学部教授:諸富 祥彦

諸富先生のカウンセリング 〈闘争タイプ〉のエピソードとそのアドバイスとは?

現代では少なくなっているという〈闘争タイプ〉ですが、まったくなくなったわけではありません。諸富先生の〈闘争タイプ〉へのカウンセリングを紹介します。

スマホの画面に四六時中、かぶりつき。取り上げたら大暴れして親子関係も最悪になったケース

ゲームやSNSに夢中で勉強をしなかったり、注意しても親の話に耳を傾けなくなりました。また、深夜まで画面にかじりついているので、朝は時間どおりに起きられず、生活にも問題が出ています。スマホに振り回されているので、思い切って取り上げたら大暴れ。それを恨んでいるのか、今は親子関係も最悪です。

──諸富先生のアドバイス──
スマホの問題は、令和時代の思春期の特徴です。まず、取り上げるのは暴力に値することと覚えておきましょう。

親は自分の子どもだからとか、子どものために正しいことをしていると考えても、同意がないところでの没収はNGです。親子関係がこじれる原因になるので、他の解決策を見出すべきです。

もしこれをお読みの親御さんでこれから子どもにスマホを買い与えるなら、買う前に親子で使用ルールを決めることをおすすめします。「夜10時以降は自室に持ち込まない」「スクリーンタイム機能で使用時間や使用制限をかける」といった具合です。

すでに買い与えていて、子どもがやや依存状態になっている場合も、子どもと使用ルールを決めましょう。ここで大切なことは、子どもが決めたことを理解し、納得(親子で契約)してからルールを実施することです。

親が自分のコントロール下に一方的におこうとすればするほど、子どもはそれを拒否します。反発心を強めることになりかねませんから、思春期に入ったら、親のいうことを無理にいい聞かせる(守らせる)方法は避けましょう。

ルールを設けても子どもが守らないという場合の最終手段は、Wi‐Fi自体を見直して、利用制限をかけるなどの方法も考えてみましょう。ネットに接続できる時間帯を決めて家族で制限に取り組めば、メリハリのある生活が送れるはずです。

また、スマホに関しては親のほうも注意が必要です。アメリカの調査になりますが、「会話中に親がスマホに気を取られていると感じる(25%)」「ときどき、親は自分よりもスマホを大切にしていると感じる(20%)」と答えた子どもがいたという報告があります。

スマホの問題は子どもだけと考えず、まずは親も使う頻度や使っている状況を見直すことも大切です。

スマホを力づくで取り上げても、問題解決どころか状況が悪化する可能性があります。 写真:アフロ
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