子どもの「想像力」を伸ばす最高の方法は「リアルな体験」! お手製のガクブチで「いつもの散歩」を変える

「こどもアトリエ みかづき」の親子で楽しむアート 第6回「どこでもガクブチ」

私「雨上がりの感じってどう表すの?」
→「しずくをかく。あとそれをキラキラさせようかな。そしたら雲の間から太陽もいるね」(ステキ!)

私「ねぇねぇ、ここの落ち葉さぁ…」
→「パリパリさせてって言うんでしょ! これは森の湿った落ち葉だからいいんですぅ!」
私「すごいなぁ……(苦笑)。OK! 全体をもうちょっと湿っぽい感じにする?」
→「えぇ?……えーーっと。明るいままがいいから……どうしよう。」
(昨日はずっと雨が降っていたけど今日は晴れた、そんな木の下を想像できるかな〜)

私「ここ同系色すぎてよく見えないんだけど、なんとかなる?」
→「わたしには見えてるから大丈夫ですよ、先生」
(まさかのお年寄り扱い……!涙)

最後は、リアルな体験とは無関係でした……もうどちらが大人だかわかりませんね。

私たちは、お互いがどんな世界を思い描いているのか、視覚的には見えません。それでもたぶん一緒だな、意見を交わすことができるようになったんだな、としみじみ思えるこのごろです。

 「何を描いてるの?」通りがかる複数人が首をかしげた1コマ。雑草……かな。 写真/こどもアトリエ みかづき

アートワーク⑥ 「どこでもガクブチ」

今回のアートワークで作るのは、いつものお散歩を素敵にサポートしてくれるアイテムです。

額縁は額縁でも、絵や写真を飾るものではありません。何を入れて眺めるかは子どもたち次第。道路脇の小花もお月さまも、にこにこ笑顔も入ります。

【用意するもの】

●厚紙(八つ切り)
●はさみ(カッターと定規でも)
●カラーペン・絵の具など(お好みで)

【作り方】

1.  厚紙を切って、額縁を作る  
26×20cmの額縁を作る。写真を参考に、カッターやハサミを使って厚紙を切る。★印に切り込みを入れ、赤線で山折りにしてテープで止める。

方眼入り工作用厚紙を使用。36×30cmから中央に20×14cmの窓を切り抜く。写真上下(横長)の2辺を折り込んで留めてから、左右(斜めカット)の2辺を折り込む。

2. 着彩する
ペンや絵の具で好きな模様や絵を描く。

3. 散歩に出かける
きれいだな、おもしろいな、を見つけて額縁におさめよう。家の中でもきっと見つけられるが、天気がよければぜひ屋外で。

【ポイント】

・1の工程は、年齢によって大人のサポートが必要です。はさみで厚紙を切るのがむずかしい場合は無理をさせず、山折りの組み立てや、テープで留める作業を任せましょう。

・2でクレヨンを使用した場合、持つたびに手が汚れたり擦れたりするので、透明テープなどで保護するとよいでしょう。

・額縁を持ったお散歩は、なかなか先に進めないことを覚悟してください。急かさず、子どもが何に心をとめるのかを見守って。

ジャングルジムに登ると景色が変わるね♪ 写真/こどもアトリエ みかづき
アトリエの帰り道。夕陽がキレイだったよ! 写真/こどもアトリエ みかづき

♦あじとみあつこ
1978年生まれ。千葉県松戸市在住。大阪芸術大学デザイン学科中退後、美大受験予備校講師などを経て、雑誌編集、イラスト・デザイン制作に携わる。2017年より造形絵画教室『こどもアトリエ みかづき』を運営。
https://www.ajitomiatsuko.net

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