小学生たちが「さかなクン探究隊」で【海洋プラスチックごみ問題】を研究! 「待ったなし」の実態を東京海洋大学教授が解説

海洋プラスチックごみの最前線を深掘り!『さかなクン探究隊』活動レポート第4弾

内田先生は、大学練習船の航海士として勤務していたときに、船や海鳥、漂流物など船の上から見かけたさまざまなものを地図上に記録していました。そのときに、ごみが多い海域と少ない海域があることに気づき、これを深掘りすると面白そうだと感じて、本格的に漂流ごみの調査をスタートすることになったそうです。授業は、先生と子どもたちとの対話式で進められました。

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海洋ごみ研究の第一人者である東京海洋大学の内田圭一教授。

内田教授

海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックが海洋環境や生態系に影響をおよぼす可能性が問題になったのはいつごろからか知ってるかな?

隊員

わたしたちが生まれたころから?

内田教授

最近の問題だと思われがちだけど、じつは、いまから50年以上前の1972年には、アメリカで海洋におけるプラスチック汚染を問題視する論文が発表されていたんだ。1970年代には、いろいろな海洋生物の体内からプラスチックごみが発見されていたことがわかっているよ。では、なぜ今、プラスチックごみはこんなに注目を集めているんだろう?

隊員

生きものがプラスチックごみのせいで、死んだり苦しんでいる写真をたくさん見かけるようになったから?

内田教授

そうだね。網やビニールなど大きな漂流ゴミが、生きものに巻きついている写真は衝撃的だよね。あとは、海に流出したプラスチックごみが、紫外線や波の影響で破壊され、小さなマイクロプラスチックになってしまうんだけど、そうすると、魚や貝などが、プランクトンと間違えて誤飲する可能性が高くなるよね。

2016年に、東京農工大学の高田秀重教授の研究グループが、東京湾で採取されたカタクチイワシ64個体のうち49個体の消化管からマイクロプラスチックが検出されたという調査結果を発表したんだ。それと同時に、検出されたマイクロプラスチックのうち、7.3%はマイクロビーズだったということがわかったんだ。

隊員

1次マイクロプラスチックだ!

由比ヶ浜でのビーチクリーンのときに回収したもの。右がレジンペレットなど1次マイクロプラスチック。左が破損したプラスチックのかけらや不燃ごみ。

内田教授

そう、よく覚えていたね。この前のビーチクリーンのときに、マイクロプラスチックには2種類あるという話をしたけれど、1次マイクロプラスチックとは、歯磨き粉や洗顔料などのスクラブ剤やレジンペレットなど、生産された段階で5ミリ以下のプラスチックのことだね。

2016年のカタクチイワシの報告は、私たちがふだん口にするものから、マイクロプラスチックが検出されたということで、大きな話題となったんだ。

隊員

マイクロプラスチックを食べた魚や貝を食べたら、私たちの体の中にマイクロプラスチックが取り込まれているということになるね。

海洋プラスチックはなぜ問題?

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