人気「ジェンダーフリーおもちゃ」で女の子もDIY! 大人の固定概念を覆す

おもちゃ業界が育む「ジェンダーフリー」と「ダイバーシティ」#1

ライター:遠藤 るりこ

かわいいものが好きな男児 かっこいいものが好きな女児

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おもちゃとジェンダーの話題で必ずといっていいほど取り上げられるのが、前述のピープル社から2018年に発売されたDIY玩具「DIYトイ ねじハピ」です。

キラキラしたねじや板を使って作品が作れる工作系玩具で、これまでの「大工のおもちゃは男児向けのテイスト」という固定観念をガラリとくつがえすものでした。

ピープル社でこちらの商品開発を担当する上原麻里衣さんは、「開発当初は特にジェンダーフリーを意識した商品ではなかった」と話してくれました。

かわいいドライバーを使って、自分だけの作品をカスタマイズ! 完成した作品は、ペン立てや収納アイテムとして活躍。 写真提供:ピープル社

「2018年、大人の間で『DIY女子』が話題になっていたことをヒントに開発しました。女性タレントがテレビ番組でドライバー片手にいろいろな家具を作ったり、お昼の番組などでも主婦の方がお家の中をリノベーションしたり、が流行りましたよね。

ねじハピの発売後、『ドライバーを使ってみたかったけれど、見た目がちょっと苦手で遊ぶのを諦めていた。これなら遊びたいと思えた!』という女の子が想像以上に多かったのに驚きました。保護者の方からも『こういうおもちゃをずっと待っていた!』と好評でした。

性別を超えた大工道具を作ろう、という意識ではなかったものの『女の子もこういう遊びがしたかったんだな』という大きな気づきになりました」(ピープル社・上原さん)

2018年の発売から4年目を迎え、同社の看板商品として仲間入りするほどの人気に。「これからは定番おもちゃとして、長く愛されるおもちゃになってくれたら嬉しいです」(ピープル社・川端さん)。 写真提供:ピープル社

また、意外なこととしては、このかわいいDIYのねじハピの購入者の中に「男の子」も一定層いたと言います。

「かわいいものが好きな男の子もいるし、かっこいいものが好きな女の子もいることが改めてわかりました。性別を越えて、子どもたちが好きなおもちゃを自由に手に取れる環境作りについて、企業として考えさせられました」(ピープル社・上原さん)

各社とも、世の中の流れや他社の商品展開に影響を受け、そして実際の親子の声を聞き、性別にとらわれないおもちゃの開発や商品展開を続けています。

私たち親や周りの大人からも、「男の子だから◯◯であるべき」「女の子だから◯◯をしないといけない」という性別による役割意識=ジェンダーバイアスを押し付けないように心がけていきたいものです。

次回は、ロングランおもちゃブランドの代表でもある、バービーとシルバニアファミリーの、ジェンダーバイアスを払拭する取り組みについて紹介します。

取材・文/遠藤るりこ

《取材協力》

株式会社ボーネルンド 
「キッチンセンター」¥14,300(税込)

株式会社パイロットコーポレーション
「あおくん」¥3,960(税込)

ピープル株式会社
「ガールズDIYトイ ねじハピ メガDIYセット」¥6,050(税込)


※多様性で変わるおもちゃ最新事情は全3回です。
第2回は22年3月27日公開、第3回は3月30日公開予定です(公開日までURL無効)。

#2 バービーやシルバニアファミリーが「性別の役割から解放」されたワケ

#3 おもちゃに義足や養蜂!? 「ダイバーシティトイズ」は共生社会をめざす

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えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe