「甘くておいしいスイーツ。コロナ禍では自宅待機の際のおやつになるのはもちろん、災害時には非常食としても大活躍します」と言うのは、防災士で防災備蓄収納マスタープランナーの堀中里香さん。
「災害時は、常に緊張し、普段より疲れが出やすくなります。そんな時に甘いものを食べると、素早く糖分が摂取でき、なにより心が落ち着きます。災害時こそスイーツがあるとありがたく感じると思いますよ」
そしてストックするなら“缶詰スイーツ”がおすすめだと言います。
「缶詰は長期保存が可能です。最近では缶詰のスイーツがたくさん登場し、災害時の備蓄用にはもちろん、ちょっと甘いものが食べたいな、というニーズにもこたえてくれるので、缶詰スイーツがおすすめなんですよ」
さまざまな缶詰スイーツを試した堀中さんが、味、価格、保存期間など、すべてにおいておすすめできるものを厳選して紹介してもらいました。
まずは汎用性の高いクッキーから
コペンハーゲン ダニッシュミニクッキー (賞味期限/製造から540日間)
「コペンハーゲン ダニッシュミニクッキーは、パッケージを見たことあるという人も多いのではないでしょうか。デパートやスーパーなどでも販売されていますので、手に入りやすいのもいいですね」
「原材料もシンプルで、ココナッツ風味のザクザクした食感で食べごたえもあります。ひと口サイズなので、小さなお子さんも食べやすいでしょう。完全密封なので、湿気たりせずに安心ですよ」
クッキーは、災害時の備蓄用のお菓子としておすすめだそうです。主成分が小麦粉なので主食の代わりにもなりますし、分けやすいのも利点です。
フラワー 災害備蓄用長期保存クッキー プレーン味 (賞味期限/製造から5年)
「和洋菓子、パンの製造会社が作った災害備蓄用の長期保存クッキーです。私が食べた長期保存用のクッキーの中では特においしかったですよ。カシューナッツとごまの風味がおいしく、きな粉も入っているので栄養価も高いのがいいですね」
5年もの長期保存が可能で、おいしく栄養価も高い。十分な栄養がとれない災害時にはとてもありがたいものです。
水分が不足する災害時にはゼリーが重宝
ワンテーブル ライフストック 備蓄用ゼリー (賞味期限/製造から5年半)
「缶詰ではないのですが、ぜひおすすめしたいのが、備蓄用ゼリーです。クッキーは汎用性が高く、主食代わりにもなっていいのですが、災害時には“水”が不足するので、水分も一緒に補給できるゼリーがおすすめです」
備蓄用ゼリーは、東日本大震災の経験から、宮城県の会社が開発しました。水が不足する災害時に、喉が渇かず、同時に水分補給もできるゼリーに着目したというわけです。
「ライフストックのゼリーは、通常のゼリー飲料と比べるとフルーツ感や甘みが強く、お子さんも好きそうな印象です。私はニンジン+りんごがおすすめ。これはちょうどいい甘さで、食物繊維も入っています」
また、食物アレルギーにも対応しているので、アレルギーがあるお子さんも安心して食べられます。
「備蓄用に作られている製品でなくても、例えば、私は“たらみのくだもの屋さん”が好きなのですが、賞味期限は10か月と長めです。しかも、価格は100円前後でスーパーやドラッグストアなどどこででも購入できます」
防災士である堀中さんは災害時の備蓄について、こうも話します。
「缶詰スイーツの話題から、私の好きな“たらみのゼリー”の話になってしまいましたが、缶詰スイーツにしろ、ゼリーにしろ、賞味期限が長いからといってずっと置いておいては賞味期限が切れてしまいます。ある程度の時期がくれば消費して、補充するという“ローリングストック”も大切です」
備蓄用、普段用という境界を作らず、日常生活にも備蓄用としても使う習慣をつけておけば、ストックも減らず、鮮度もキープできて、賞味期限切れになって破棄することもないというわけです。
「非常時だからこそ、普段の生活に近い食生活を送りたいものです。普段使いのものも備蓄用に取り入れてみるのもいいと思いますよ」
※続きは、『進化系缶詰スイーツ「おいしくて体に良い非常食」を防災士が厳選!』をご覧ください)
堀中里香(ほりなか りか)プロフィール
防災備蓄収納マスタープランナー、防災士、整理収納コンサルタント。「あなたのいえのかたづけこびと、そだてませんか」をモットーに、日常は整理収納、非常時は防災備蓄で、安全で安心な暮らしをサポートする。防災を考慮した整理収納サポートや、オンラインの整理収納×防災備蓄セミナーが好評。整理を習慣づける週一オンライン部活動『みんなでおかたづけクラブ』も行っている。NHKひるまえほっと出演。ブログ『かたづけこびとのみつけかた』 https://ameblo.jp/karikanariho/
時政 美由紀
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。