子どものねんねトラブル「早起きしすぎる」「寝起きが悪い」対策とテクニックを東大医学部卒医師ママが伝授

東大医学部卒医師・もりたま先生に聞く、「子どものねんねトラブル」 #4 ~寝起き編~

医師・小児スリープコンサルタント:森田 麻里子

日中の光をたくさん浴びるのがカギ

子どもは成長するにつれて徐々に日中眠らなくても一日活動できるようになり、そうなると睡眠時間やサイクルも安定します。

就学前は特に、起床の時間を整えたい時期。「朝が弱くて就学したら心配」「ようやく起きたと思ったらソファでうとうと。もしかして睡眠時間が足りていないのかも?」なんて不安はつきません。

「それぞれの体質もありますが、朝起きる時間になっても身体が起ききらないというのには、3つの原因が考えられます。

1つ目は、そもそも睡眠時間が足りていないというケース。就寝時間が遅いため、朝も眠い、というパターンです。単純に早寝を心がけ、睡眠時間のボリュームを増やすことで解消されます。

2つ目は、体内時計が夜型になっている場合。朝型か夜型かは、個人差もありますが、日中に浴びている光の量が関係してきます。特に午前中、日中にしっかり日の光を浴びて活動すると、きちんと夜は眠くなります。

夜早めにすっと眠れると、朝になれば元気に起きるというリズムが整うので、朝型人間に戻してあげるためには、昼間に陽の光を浴びることが大事なんです」
(もりたま先生)

夜強い光を見せない

「3つ目は、夜の活動に関連してきます。

小さなお子さんで、夜に光が強いところに行くということはあまりないとは思いますが、例えば塾の帰りの小学生が夜のコンビニに寄ったりする習慣がついている場合、影響がある可能性が考えられます。夜に強い光を浴びると、体内時計は夜型に動いてしまうので、朝起きられない原因になりやすいんです」
(もりたま先生)

先生の元へ相談しにきた親子で、「保育園後、スーパーに寄って買い物をする習慣を改善してもらったら子どもの睡眠の質が良くなった」というエピソードがあるといいます。商業施設などの強い光を、夜に浴びる習慣は無くしたほうが良いでしょう。

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「ただ、忘れてはいけないのは、昼と夜の光のバランスが大事ということ。つまり、昼間にきちんと光を浴びていたら、夜に多少光を浴びたぐらいは大丈夫。

逆に、夜に光を浴びがちな子どもは、日中にしっかり光を浴びることが大事ということです。

光を浴びるというのは身体で受け止めるわけではなく、目から入る光のことをいいます。日光は桁違いに明るい光なので、子どもが日中外で過ごす時間というのがすごく大事なのです」
(もりたま先生)

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