新学期ごろから新たな歯磨き指導が広まる
──今回の提言により、子どもたちへの歯磨き指導などはどう変わっていきますか?
土持 まず、今回の4学会による共同声明のインパクトは強いと言えるでしょう。もしかしたら、日本の歯科医師業界による「ようやく世界的な潮流に合わせた方向に進んでいくぞ」という意思表示なのかもしれません。
また、年齢別で使うべきフッ化物配合歯磨剤の量が明確に規定されたというのは、現場の歯科医師としてもありがたい話です。「2歳なら米粒程度」「4歳の子はグリンピース程度」など、お子さんにも保護者の方にもわかりやすい表現になっているのもいい。
4~6月くらいになると、小学校や幼稚園などでの歯磨き指導や学校検診が多くなってくるので、そこで今回の提言の効力が発揮されるようになると思います。
──「歯磨き後のうがいなし」について抵抗があるお子さんや保護者の方もいらっしゃるのではと思いますが、その辺りはどうでしょうか?
土持 実際、お子さんの中には「歯磨き後にうがいなし」が耐えられない子もいるでしょう。そういうときはやはり、少量の水で軽くうがいする、という方法をおすすめします。「うがいをしちゃダメだ!」とムリヤリ指導して、お子さんが歯磨きを嫌がってしまっては本末転倒ですからね。
ただ、これも今回の提言の効果でもあるのですが、4学会共同という形でしっかり提案してもらうことで、一般の親子のみなさんにすすめる指導内容にも説得力が生まれてきて、信用してもらいやすくなってくると思います。
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4学会合同の共同声明「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について」が、主に子どもたちにとってどのような意味があるのか、その声明の歴史的背景や、日本特有の事情などを土持先生に教わりました。
次回はこの声明を受けての子どもたちにおすすめの歯磨剤や、歯磨きを嫌がる子どもたちへの対処法などについて伺います。
歯科医師・土持賢一PROFILE
つちもちけんいち 平成18年、日本歯科大学歯学部卒。平成19年、日本歯科大学附属病院臨床研修修了。同年より東京都中野区をはじめ都内・首都圏で勤務。平成27年、地元の宮崎県都城市・土持歯科医院にて、外来に加えて歯科訪問診療の大半を担当する。
取材・文/奥津圭介
奥津 圭介
編集者/ライター。1975年生まれ。一橋大学法学部卒。某損害保険会社勤務を経て、フリーランス・ライターとして独立。ビジネス書、実用書から野球関連の単行本、マンガ・映画の公式ガイドなどを中心に編集・執筆。 近著に『中間管理録トネガワの悪魔的人生相談』。編集担当に『みんなのあるあるプロ野球』シリーズほか。『マンガでわかるビジネス統計超入門』(シナリオ担当)が2021年1月発売。
編集者/ライター。1975年生まれ。一橋大学法学部卒。某損害保険会社勤務を経て、フリーランス・ライターとして独立。ビジネス書、実用書から野球関連の単行本、マンガ・映画の公式ガイドなどを中心に編集・執筆。 近著に『中間管理録トネガワの悪魔的人生相談』。編集担当に『みんなのあるあるプロ野球』シリーズほか。『マンガでわかるビジネス統計超入門』(シナリオ担当)が2021年1月発売。
土持 賢一
平成18年、日本歯科大学歯学部卒。平成19年、日本歯科大学附属病院臨床研修修了。同年より東京都中野区をはじめ都内・首都圏で勤務。平成27年、地元の宮崎県都城市・土持歯科医院にて、外来に加えて歯科訪問診療の大半を担当する。 ●土持歯科医院オフィシャルHP
平成18年、日本歯科大学歯学部卒。平成19年、日本歯科大学附属病院臨床研修修了。同年より東京都中野区をはじめ都内・首都圏で勤務。平成27年、地元の宮崎県都城市・土持歯科医院にて、外来に加えて歯科訪問診療の大半を担当する。 ●土持歯科医院オフィシャルHP