目次
近年、「こども・若者の居場所」が社会の課題として注目されています。
虐待・不登校・自殺者数の増加──。
こども家庭庁では、こども・若者を取り巻く環境の厳しさを指摘した上で、こどもが安心して過ごせる「居場所」を得ることは、生きていく上で不可欠だとしています。(※こどもの居場所づくりに関する指針)
また、こどもの「居場所」は学校だけではなく、遊びや行動体験、SNS・オンラインゲームなどのネット空間も含まれるとし、さまざまなニーズや特性をもつ児童が「居場所」を持てることが重要と指摘。
地域の施設を活用することも有効としており、「児童館」も選択肢の一つとして挙げています。
この記事では、東京都内にある中高生世代の利用に特化した児童館「中高生センター ジャンプ東池袋」(東京・豊島)を取材、こども・若者への支援について伺いました。
国をあげて「こどもの居場所づくり」に取り組んでいる理由とその背景、居場所としての児童館の充実ぶりをお伝えした<前編>に続き、今回の<後編>では、さまざまな「事情」を抱えたこども・若者たちを手厚くサポートする「居場所」としての児童館をレポートします。
親でも友達でもない 心を許せる第三者
設備や環境の充実面に目が行きがちですが、児童館職員の存在も大きなもの。
こどもたちが気軽に雑談・相談できることはもちろん、「セーフティーネット」としての役割も果たしています。
「ここに訪れてくる利用者の中には、様々な事情を抱えていることがあります。必要であれば、気兼ねせずさっと食べてもらえるように、キッチンには冷凍ごはんやレトルト食品などを用意しているんです」(ジャンプ東池袋・職員)
困り事を抱えているこどもが来館した場合、本人の状況に配慮しつつサポートをするのも、児童館の機能の一つです。
支援は、物質的なものだけではありません。心のケアにも力を入れています。