“発達特性のある新1年生” 入学前に親がやりたい「4つの準備」を専門家に聞いた
発達障害の専門家が語る「発達特性のある子どもの小1プロブレム」#2~入学前の準備~
2023.03.25
一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表・言語聴覚士・社会福祉士:原 哲也
【準備④】就学前のわが子の「平穏な状態」をよく把握しておく
入学を控えた3月時点で、もうすでに緊張していて、ベストな状態ではないかもしれません。それでもストレスがあまりない状態、通常の生活での子どもの様子(生活リズムの状態、遊び方、表情など)をしっかり把握しておきましょう。
その状態と比較することで、入学後の子どもの変化、いわば“心のSOS”に気づくことができます。変調が起きないような環境づくりと関係づくりができるに越したことはありません。ですが、いつもと違う状態にできるだけ早く気づくことができれば、早く対処できます。
家庭生活は、子どもたちが生きていくために必要な経験を積み上げ、エネルギーを貯めることができる場所です。
家庭が明るく、楽しく、子どもにとって安心できる「ベースキャンプ」(子どもたちが疲れたとき、迷ったときなどに、いつでも立ち寄れ、気軽に引き返せる安心の場所)になることがとても大切です。
発達特性のある子の育ちには悩みがつきもの。解決に、専門的な知識が役立つことがたくさんあります。決して孤軍奮闘せず、私たちのような療育の専門家などに頼ることも視野に入れてほしいと思います。
ADHDの子どもについて調査したところ、親の幸福度が高いと、子どもの幸福度が高いという研究結果も出ているんです。保護者が笑顔で幸せに過ごすことはとても大切だということも、忘れないでほしいです。
取材・文/桜田 容子
桜田 容子
ライター。主に女性誌やウェブメディアで、女性の生き方、子育て、マネー分野などの取材・執筆を行う。2014年生まれの男児のママ。息子に揚げ足を取られてばかりの日々で、子育て・仕事・家事と、力戦奮闘している。
ライター。主に女性誌やウェブメディアで、女性の生き方、子育て、マネー分野などの取材・執筆を行う。2014年生まれの男児のママ。息子に揚げ足を取られてばかりの日々で、子育て・仕事・家事と、力戦奮闘している。
原 哲也
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。 2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。 著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。 ●児童発達支援事業「WAKUWAKUすたじお」
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。 2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。 著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。 ●児童発達支援事業「WAKUWAKUすたじお」