子どものスマホには「親子間契約書」! 『子ども六法』山崎聡一郎氏提唱の納得ルール

大人も知らないスマホの進化でここまでできる8つのこと

「子どもにスマホをいつ持たせるか?」 

利便性と危険性の間で、パパママのグルグルとした心配はつきません。

ベストセラー『こども六法』の著者・山崎聡一郎氏は、「『これだけはやめとけ!』というポイントを押さえながら、インターネットを自由に使いこなせるよう、必要な心がけを伝授」するために『ネット・スマホ攻略術』を書き上げました。

ここで山崎氏は、親子で交通ルールのようなスマホルールを決めた「契約書」をすすめています。子どもとスマホにまつわる親たちの心配の解決策を探ります。

親子を悩ます「スマートフォンいつから?」問題

子どもにスマートフォンをねだられて、

「いつから持たせたらいいの?」

「変なことにまきこまれない?」

「スマホ漬けにならない?」

と不安になることありませんか?

「スマートフォンを持たせた年齢は?」とアンケート調査した結果、1位は『中学1年生〜中学2年生』(ARINA株式会社/2022年3月3日)。

ついで塾通いなどで、連絡を取る必要が高まる小学5年生~小学6年生が2位となっています。

スマホは世界に発信されるからこそ……

親も知らないスマホの8つの機能とは?

小学1年生~2年生が第4位に入るなど、小学生になると同時にスマートフォンを買ってもらう子どももいて、同級生をうらやましがって、おねだりされた親も多いのでは?

スマートフォンにはじつは大きく8つの機能があり、大人もその機能のすべてを知っているとは言えません。

スマートフォンの8つの機能は

①    つながる=話すだけではなく、SNSやダイレクトメッセージなどの連絡ツールとして、今やかかせない存在に

②    知る=検索サイトや、動画の検索窓を使って、新しい知識を得たり、ニュースなどにふれたり。

③    記録する=カメラ機能で、写真や動画。メモ機能でテキスト記録だけでなく、電話帳や連絡先など、履歴の形で大量の情報が記録されている

④    学ぶ=タブレット学習やプログラミング教育、オンライン授業など、学びのツールとしても! AIによって苦手が可視化されるアプリなど教育系テクノロジーが進化中。

⑤    買う=QRコード決済・タッチ決済など、決済手段がどんどん増えるスマホのおさいふ機能。ワリカン、定期券がわりなど、使えるシーンがどんどん増えている。

⑥    楽しむ=音楽聞き放題や動画見放題サービスなど、エンタメ全部入りが、若い世代にとってのスマートフォンの大事な機能に。

⑦    動かす=IoTによって、家電を動かすことも可能に。テレビ録画やエアコンスタートから、今や家の鍵がわりにも! レストランの注文や、工場管理にまで用途は広がっている。

⑧    発信する=動画やマンガ、音楽などの創造的な作品から、伝えたい自分の主張など、「自分自身」を発信できる場がどんどん整備されていて、世界的スターの誕生の場に。

上記8機能以外にも、日々、用途や機能は成長を続けていて、10年後どころか3年後どう進化しているかすら想像できないほど、「スマホでできること」が増え続けています。

ただこうしたプラスな機能と裏腹に、大きな危険もはらんでいるから要注意です。

ネットいじめ・低年齢を対象とした性犯罪に巻き込まれる・はだか画像など一生に影響するデジタルタトゥー等、「知らなかった」ではすまされない危険がたくさんあります。

意外と多い「スマホでできること」

法律教育の専門家がすすめるとっておきの方法!

「危険だから使わせたくない」。

でも「持たないせいで、友だちから浮いてしまったらどうしよう?」。

だけど「スマホを持ったら、いじめや犯罪にまきこまれるのでは?」。

そんなグルグルとした親の心配を解消するためにも、『こども六法』の著者・山崎聡一郎氏は、自著・『ネット・スマホ攻略術』のはじめに……でこうつづっています。

「『これだけはやめとけ!』というポイントを押さえながら、インターネットを自由に使いこなせるようになるために、必要な心がけを伝授しようと思って書きあげました。

この本の目標は、あなたがインターネットに振り回されず、意のままに操ることができるマインドを身につけること。

そして、インターネットトラブルで大人が右往左往しているときに、ヒーローとして助けてあげられるようになることです」

本書ではこうしたマインドを可視化するために、親子で交通ルールのようなスマホルールを決めた「契約書」を交わすことをすすめています。

契約書を埋めると、自動的に契約書が完成する。

親にこそ必要な「あくまで貸している」という覚悟

その際、

①    親の心配、子どもの要望、どちらもちゃんと話し合う

② ルールを見直すタイミングや方法を決めておく

③ 守らなかったときどうするか決めておく


ことで、子どもにも「自分で決めたルールだから守らないと」という大人の責任感が生まれると山崎さんは伝えています。

スマホ代や毎月の通信費など、「あくまで借りているもの」。だからこその責任がある……という実感は、対等な「大人扱い」から生まれるのかもしれません。

この夏、山崎さんが講師となって、実際に契約書を通じて、スマホの使い方を考える講座がSCHOP SCHOOLの2022夏スクールの短期講座として開かれることにもなりました。

最強に使い倒せば「すばらしい世界への入り口」ともなるスマートフォン。

スマートフォンに使われるのではなく、スマートフォンを使い倒すために「貸借契約書」を作ってみませんか?

親子で本音で話す楽しい時間になるかもしれません。

https://schopschool.com/

【SCHOP SCHOOL】 電通とTBSが組んで、「社会で活きる実践的創造力を」子どもたちに身につけてもらうためにスタートした新しい学びの場。各分野のプロフェッショナルが先生ではなく「ナビゲーター」として、好奇心と探求心を掘り起こし、子どもたちと一緒にミッションを達成するワクワク感いっぱいの「社会に向き合う」プログラムを開発している。

ネット・スマホ攻略術(山崎聡一郎・著/藤川大祐・監修/茅なや・まんが&イラスト)