子どものスマホには「親子間契約書」! 『子ども六法』山崎聡一郎氏提唱の納得ルール
大人も知らないスマホの進化でここまでできる8つのこと
2022.07.21
「子どもにスマホをいつ持たせるか?」
利便性と危険性の間で、パパママのグルグルとした心配はつきません。
ベストセラー『こども六法』の著者・山崎聡一郎氏は、「『これだけはやめとけ!』というポイントを押さえながら、インターネットを自由に使いこなせるよう、必要な心がけを伝授」するために『ネット・スマホ攻略術』を書き上げました。
ここで山崎氏は、親子で交通ルールのようなスマホルールを決めた「契約書」をすすめています。子どもとスマホにまつわる親たちの心配の解決策を探ります。
親子を悩ます「スマートフォンいつから?」問題
子どもにスマートフォンをねだられて、
「いつから持たせたらいいの?」
「変なことにまきこまれない?」
「スマホ漬けにならない?」
と不安になることありませんか?
「スマートフォンを持たせた年齢は?」とアンケート調査した結果、1位は『中学1年生〜中学2年生』(ARINA株式会社/2022年3月3日)。
ついで塾通いなどで、連絡を取る必要が高まる小学5年生~小学6年生が2位となっています。
親も知らないスマホの8つの機能とは?
小学1年生~2年生が第4位に入るなど、小学生になると同時にスマートフォンを買ってもらう子どももいて、同級生をうらやましがって、おねだりされた親も多いのでは?
スマートフォンにはじつは大きく8つの機能があり、大人もその機能のすべてを知っているとは言えません。
スマートフォンの8つの機能は
① つながる=話すだけではなく、SNSやダイレクトメッセージなどの連絡ツールとして、今やかかせない存在に
② 知る=検索サイトや、動画の検索窓を使って、新しい知識を得たり、ニュースなどにふれたり。
③ 記録する=カメラ機能で、写真や動画。メモ機能でテキスト記録だけでなく、電話帳や連絡先など、履歴の形で大量の情報が記録されている
④ 学ぶ=タブレット学習やプログラミング教育、オンライン授業など、学びのツールとしても! AIによって苦手が可視化されるアプリなど教育系テクノロジーが進化中。
⑤ 買う=QRコード決済・タッチ決済など、決済手段がどんどん増えるスマホのおさいふ機能。ワリカン、定期券がわりなど、使えるシーンがどんどん増えている。
⑥ 楽しむ=音楽聞き放題や動画見放題サービスなど、エンタメ全部入りが、若い世代にとってのスマートフォンの大事な機能に。
⑦ 動かす=IoTによって、家電を動かすことも可能に。テレビ録画やエアコンスタートから、今や家の鍵がわりにも! レストランの注文や、工場管理にまで用途は広がっている。
⑧ 発信する=動画やマンガ、音楽などの創造的な作品から、伝えたい自分の主張など、「自分自身」を発信できる場がどんどん整備されていて、世界的スターの誕生の場に。
上記8機能以外にも、日々、用途や機能は成長を続けていて、10年後どころか3年後どう進化しているかすら想像できないほど、「スマホでできること」が増え続けています。
ただこうしたプラスな機能と裏腹に、大きな危険もはらんでいるから要注意です。
ネットいじめ・低年齢を対象とした性犯罪に巻き込まれる・はだか画像など一生に影響するデジタルタトゥー等、「知らなかった」ではすまされない危険がたくさんあります。
法律教育の専門家がすすめるとっておきの方法!
「危険だから使わせたくない」。
でも「持たないせいで、友だちから浮いてしまったらどうしよう?」。
だけど「スマホを持ったら、いじめや犯罪にまきこまれるのでは?」。
そんなグルグルとした親の心配を解消するためにも、『こども六法』の著者・山崎聡一郎氏は、自著・『ネット・スマホ攻略術』のはじめに……でこうつづっています。
「『これだけはやめとけ!』というポイントを押さえながら、インターネットを自由に使いこなせるようになるために、必要な心がけを伝授しようと思って書きあげました。
この本の目標は、あなたがインターネットに振り回されず、意のままに操ることができるマインドを身につけること。
そして、インターネットトラブルで大人が右往左往しているときに、ヒーローとして助けてあげられるようになることです」
本書ではこうしたマインドを可視化するために、親子で交通ルールのようなスマホルールを決めた「契約書」を交わすことをすすめています。
親にこそ必要な「あくまで貸している」という覚悟
その際、
① 親の心配、子どもの要望、どちらもちゃんと話し合う
② ルールを見直すタイミングや方法を決めておく
③ 守らなかったときどうするか決めておく
ことで、子どもにも「自分で決めたルールだから守らないと」という大人の責任感が生まれると山崎さんは伝えています。
スマホ代や毎月の通信費など、「あくまで借りているもの」。だからこその責任がある……という実感は、対等な「大人扱い」から生まれるのかもしれません。
この夏、山崎さんが講師となって、実際に契約書を通じて、スマホの使い方を考える講座がSCHOP SCHOOLの2022夏スクールの短期講座として開かれることにもなりました。
最強に使い倒せば「すばらしい世界への入り口」ともなるスマートフォン。
スマートフォンに使われるのではなく、スマートフォンを使い倒すために「貸借契約書」を作ってみませんか?
親子で本音で話す楽しい時間になるかもしれません。
【SCHOP SCHOOL】 電通とTBSが組んで、「社会で活きる実践的創造力を」子どもたちに身につけてもらうためにスタートした新しい学びの場。各分野のプロフェッショナルが先生ではなく「ナビゲーター」として、好奇心と探求心を掘り起こし、子どもたちと一緒にミッションを達成するワクワク感いっぱいの「社会に向き合う」プログラムを開発している。