スーパーの回り方ひとつでも大きく変わる! 子育て家庭の結果を出す「節約術」とは?

節約アドバイザー・和田由貴さんに聞く「節約術」 #2 子育て家庭の「食費」「固定費」「子ども費」の節約法

生活アドバイザー・節約アドバイザー:和田 由貴

「スーパーは、野菜売り場を最後に回るのが節約へつながるポイントです」と和田さん。そのワケとは……?  写真:アフロ
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「節約=我慢」ではないと話すのは、節約アドバイザーとしてメディアなど、多方面で活躍中の和田由貴さん。

しかし、我慢しないとしても、「節約」するならば、すぐに効果を実感したいもの。和田さんに教えてもらう「節約術」第2回では、子育て家庭で今すぐできる、3つの節約術を教えてもらいました。

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~食費編~ フードロス防止にも! 節約に効果的なスーパーの回り方

子どもたちの成長に欠かせないものといえば「食事」。食べないことには生きていけません。少しでも食費を節約するために、「スーパーの買い物での無駄買いを防ぐ上手な回り方がある」と和田さん。どのように回れば節約につながるのでしょうか?

和田由貴さん(以下、和田さん):1回目の記事でもお伝えしましたが、フードロスを防ぐことが、食費節約において一番大切なことです。特に、家庭内でのフードロスの多くは野菜なので、野菜をしっかり使い切ることが、ポイントです。

まずは買い物から見直しましょう。多くのスーパーでは、入り口近くに野菜売り場が設置されていますが、野菜売り場から回るのはNG。メイン食材となる精肉・鮮魚コーナーから回り、安くて鮮度の良い商品を選んでから、付け合わせとなる野菜を選ぶ。こうすると無駄買い防止につながります。

買い物する前にあらかじめ献立を決めるより、その日売っている食材から、安くて鮮度の良いものやお買い得商品を選び、購入した食材で作れるメニューを考えるほうがよいかと思います。

例えば、「今日はビーフシチューを作る!」と決めてスーパーに行ったとします。しかし、その日の牛肉の値段が高かった場合は、結果としてコストがかかってしまいますよね。事前に決めたメニューに縛られず、安くてよい食材を探してからメニューを考えると、お得なお買い物ができます。

まとめ買いに関しては、揃った食材を無駄なく使い切れるような献立を考えるのが得意な人へはおすすめです。

反対に、一度にたくさんの献立を考えるのが苦手であれば、頻繁にスーパーへ買い物に行き、安くてよい食材を見てからメニューを考えるほうがよいかと思います。

「2点で○○円」などの特売品は節約にならない!?

よくスーパーなどで「2点で○○円」という、まとめ買いをするとお得になる売り出しがあります。和田さんは、このまとめ買いも節約にはならないと言います。

和田さん:そもそも、物を買う動機は「必要だから」でなくてはなりません。「安いから」、「お得だから」という理由での購入は無駄買いに繫がりやすい。

複数購入すると値引きになる商品もよくありますが、2点購入して本当に食べ切れるのか? そもそも本当にお得なのか? をよく考えて、購入したほうがいいですね。結局食べきれないと、逆に高くついてしまうこともありますから。

「節約」と聞くと、いまだにチラシに載っている特売品を追いかけるイメージがありますが、それらは特に大きな値引きではないことが多いですし、労力もかかるので、がんばって追いかける必要はなし。

ただ、近隣にスーパーが複数あり、それぞれ「精肉・鮮魚類の鮮度が良く安い店」「野菜の鮮度が良い店」「プライベートブランド商品が充実している店」などの特徴があれば、手間をかけてでも、買い回りをするのはおすすめです。

気になる「ストック買い」と「節約」の関係とは? 

子どもを連れての買い物は至難の業。少しでも買い物回数を減らすために、日用品などはストック買いをしている子育て家庭も多いと思います。しかし、先ほどのまとめ買いにもあったように、一見便利なストック買いにも、浪費につながる落とし穴があるのでは?

和田さん:節約を考える上で、ストック買いはあまりおすすめできません。なぜなら、ストックがあると安心してしまい消費量も増えてしまうからです。

ストックを用意するとしても、すぐに補充できる分(1~2つ程度)あれば十分。必要最低限の量であれば、自然と大切に使おうと思え、節約にもつながります。

~固定費編~ 「通信費」や「光熱費」など、毎月のコストに注目!

通信費や光熱費など、毎月必ず引き落とされる固定費には無駄なコストも多く潜んでいると和田さん。固定費の見直しが、家計の見直しとも。ここ数年で一気に普及したサブスクサービスの使い方や、光熱費の負担を減らすコツなどを教えてもらいました。

和田さん:サブスクサービスは使い方次第によって、とてもコスパの良いサービスだと思います。ただひとつ、気をつけなくてはいけないのが、「契約しっぱなし」についてです。

よくあるのが、一度契約したものの、そこまで利用していないのに契約を見直さず、月額料金を支払い続けてしまうこと。また、同じジャンルで複数のサブスクサービスを契約していると、節約から少し遠のいてしまいます。

例えば、映像配信のサブスクサービスであれば、観たい作品を一通り観終わったら一度解約して、また観たい作品を見つけたタイミングで契約するという、「都度契約」という使い方もあります。

契約したけど利用せず、支払いだけしているような状態にならないように、頻繁にサービス利用の見直しを行うようにしましょう。

夏と冬にかさむ光熱費を抑えて快適な空間にする方法

食材だけでなく、光熱費も値上がりし、家計のダメージを受けている、という家庭も多く聞きます。特に夏は猛暑続きでクーラーのお世話になる頻度も高く、また冬の暖房費も気になるところ。少しでも光熱費を抑えるためにできることはあるのでしょうか?

和田さん:光熱費節約の鍵は「断熱性」です。家の断熱性を上げることで、冷暖房の効きも良くなりますし、使用頻度も抑えられます。

夏は、窓の外側に簾などを設置して、部屋の中に直射日光が入らないようにしましょう。太陽の光で窓が温まることで熱となり、部屋の中の温度も高くなってしまいます。窓が熱を持たないように対策するといいですよ。

反対に冬は、窓の内側に断熱シートを貼り付けたり厚手のカーテンに切り替えたりして、熱を外に逃さないようにしましょう。熱は高いほうから低いほうへ移動し、冷たい空気は下のほうに溜まります。そして冷気はカーテンの隙間から入ってくるので、カーテンの丈をなるべく長くし隙間を作らないことが大切です。

簡単なことと思われるかもしれませんが、この少しの工夫で家の断熱性を高められますのでぜひ試してみてくださいね。また、これからお家を建てようとしているのであれば、工務店に使用する断熱材について、しっかり聞くこともおすすめします。初期費用がかかったとしても、断熱性を高める設備を整えておくと、長期的に見て光熱費をかなり抑えることができますよ。

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