節約アドバイザー直伝! 「節約」とは我慢ではなく目標実現のためのクエストだった!

節約アドバイザー・和田由貴さんに聞く「節約術」 #1 家計の見直しと足し算の節約法

消費生活アドバイザー・節約アドバイザー:和田 由貴

目標を決める「節約」は、決してつらいものではありません。  写真:アフロ
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2022年4月以降、日用品や食料品の価格が上昇し続け、10月に今年最大となる、およそ6000品目を超える値上げがされました。

値上げの主な要因としては、急速な円安の進行で輸入に頼る原材料の高騰。また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、原油価格も上昇し、光熱費やガソリン代にも大きな影響が出ています。

賃金は増えず、値上げは年末に向けてさらに上昇すると言われているなか、家計を守るためにできることは「節約」です。そこで、節約アドバイザーとして活躍する和田由貴さんに、日常生活に密着した節約アドバイスをしていただきました。

和田さんは、「節約は、無理をしないで楽しく」をモットーに、2人の子どもを育てる現役節約ママ! また、消費生活アドバイザーや食生活アドバイザーなどの資格を持ち、暮らしや家事の専門家として多方面で活動されています。

1回目は上手な節約の方法となる「家計の見直し」について教えていただきます。

(3回の1回目)

家計見直しは「固定費」の見直しがポイント

2022年、相次いでいる値上げは、日用品や食品など生活必需品が中心です。スーパーでいつもと同じように買い物をしたはずなのに、「こんなに高かった!?」と驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。

今後も物価上昇が続くというニュースを見聞きすると、心配が尽きませんが、家計における無駄を取り除き、少しでも節約に繫げるためには、まず何から始めたら良いのでしょうか?

和田由貴さん(以下、和田さん):上手に節約をするためには、まず何よりも「家計の見直し」が必要不可欠です。物価上昇をきっかけに節約をしようとすると、増えている負担から減らそうとしがちですが、それでは効果が出にくい。

固定費としてかかっているコストに無駄はないか、まずは家計の根本となる部分を見直すことから始めましょう。携帯やインターネットといった通信費では、申し込み時に契約したものの現在は利用していないオプションサービスにコストがかかっている場合もあります。

固定費の見直しは面倒な作業でもありますが、ここをしっかりと行うことで継続的かつ効果的な節約につながっていきます。

「食費節約」の近道は、まずはフードロスから!

家族構成にもよりますが、家計における食費の割合が多い場合は、食費を上手に抑える方法が節約への近道に思えます。とはいえ、方法は「買うのを控える」以外にあるのでしょうか?

和田さん:食費を削減するためには、家庭内での「食品廃棄」を減らすことが近道です。今、世界ではフードロスが大変問題になっています。日本では、年間約600万トンもの食品が廃棄されています。ひと家庭単位で考えると、年間約6万円分フードロスが出ている状態に。月で計算すると、1ヵ月約5000円! これは大きな金額です。

「安いから」と買っておいた野菜の存在を忘れてしまい、冷蔵庫のなかでしなしなになってしまったり、腐らせてしまったり……。そんな経験がありませんか? 食べ切れる量の食品を買うことを徹底することが、結果的に食費の無駄遣い防止になります。

また、食品ロス削減は、家計を守るだけでなく地球の環境を守ることにもつながります。家庭でできるSDGsアクションのひとつにもなりますし、食育の一環として親子で一緒に取り組むのもいいですね。

スーパーで食料品を買うときだけでなく、外食をするときも、食べ切れるかどうかをしっかり考えて注文することも意識してみてください。

無理は禁物! ヘルシーな節約のための心がけ

“節約”というと、「我慢しなくてはいけない」などの消費を減らすために制限が多くかかるイメージがありますが、実際は「無理なくヘルシーな節約」ができると和田さん。それには必要な心構えがあるといいます。

和田さん:一般的に節約というと、「何かを削らなくてはいけない」と思っている方が多く、ネガティブな印象が強いです。しかし、本来の節約は、引き算の考え方ではありません。

節約とは、「お金を使いたい目的を定め、そこにお金をかけられるように使い方を考えていくこと」です。「ここを削らなくては」、「あれは我慢しなくては」と考えるとしんどいですが、「◯◯を実現するために、お金を用意していこう!」と考えると、前向きになりますよね。この前向きで楽しいマインドが、節約を続ける秘訣なのです。

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