子育て家庭における「家電の三種の神器」として、田中さんは、①「コードレス掃除機」②「食洗機」③「電気調理鍋」を挙げます。
「食洗機は食器洗いの手間が省けるだけでなく、洗剤と高温水による除菌能力も高く、衛生的に保ちやすいメリットも。最近は洗剤の自動投入化などの機能も進化していて、“名もなき家事”を減らす工夫もされています」と話します。
とはいえ、「手洗いしたほうが早い」「水道・電気代がもったいない」と考える人もいるかもしれません。改めて、田中さんに食洗機を導入するメリットを教えてもらいました。
1日2回で約30分“時短“&水道代も大幅節約
まず一番大きなメリットは、家事にかかる時間を大幅に減らせること。
「人間が食器を洗ってすすぎ、拭くまでにかかる時間は通常1回20分程度とされていますが、食洗機に入れるだけの作業なら5分程度なので、その差は15分。1日2回使うなら、30分もの差が生まれ、その分、時間の余裕ができます。
また、食洗機は水道代が大幅に節約できるほか、60~80℃の湯で洗浄やすすぎを行い、高濃度洗剤を使うので除菌効果もあり、清潔に保つことができます」(田中さん・以下同)
パナソニックのHPによると、約4人分の食器(食器24点、小物16点)を1日に2回、食洗機で毎日洗うと、手洗いに比べ、1年間で約11,000円の水道代が節約に。
※手洗いVS食洗機 節約シミュレーション/Panasonic
イマドキ食洗機は工事ナシ・水回り以外の設置も可能に
メリットは知っていてもキッチンの構造上、食洗機の設置はムリという声もよく聞かれます。
「これまでの食洗機は、シンク下などに取り付ける大工事をして導入する『ビルトイン型』、キッチンなどの台の上に置く『卓上型』(据え置き型)に大きく二分されていました。
どちらも水の供給・排出が不可欠だったため、設置場所は水回りに限定され、工事はマスト。卓上型は、ビルトイン型より簡単な工事ですむため、比較的導入しやすいと言われています。ただし、それでも『キッチンが狭い』『工事ができない』『水回りにコンセントがない』などの理由から、あきらめていた人が多いのも事実。
そんな人たちの救世主になったのが、『卓上型』に登場した『タンク式食洗機』です。水道につながず、タンクに入れた水を使用するので分岐水栓工事が不要。バケツなどの排水場所さえ確保できれば、どこでも設置できるのです。家庭によってはダイニングテーブルに置き、食事が終わったら食器についた残菜(ざんさい)などの汚れはティッシュなどで拭き取りそのまま食洗機に入れる、といった使い方もできます。
タンクに何度も水を運び入れることと、排水用のバケツを用意して汚水を捨てる手間はかかりますが、その手間を少しでも減らす工夫がされているかが、選ぶ際のポイントですね」
ほかにもひと昔前の食洗機より大きく進化している点があります。
「メーカーや製品にもよりますが、近年は水流が強くなっていたり、洗剤の効果も高まっているので、基本的には予洗いなしでOK。“適切に入れれば”落としにくい汚れは減っていると思います」
予洗いはなし! でもやるべきこととは?
「まず、当然ながら食器を重ねて入れると汚れは落ちません。食器に水流が当たるようにわずかでも隙間ができることを意識して入れることが大切。その点、近年はカゴの形状も工夫されていますので、コツをつかめば重ならずに入れられるでしょう。
また、食べ残しなどの残菜は、あらかじめ流しておかないと食洗機にたまり、食洗機のお手入れが面倒になります。そのため私はいつも、サッと水を流した後に食洗機に並べています。それも含めて5分程度で終わりますので、手で洗うより断然、時短です」
聞けば聞くほど便利な食洗機。「なかでもコレ!」という田中さんイチオシの3機とは?