2023年5月より、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へと移行しました。それに伴い、2023年度は「ウィズコロナ」「アフターコロナ」のフェーズであると位置づけられ、世間のさまざまな状況が変化しました。
アフターコロナ初年度である2023年度はもうすぐ終わりとなりますが、幼稚園や保育園、学校ではどのようなことが起きていたのでしょうか。実態をお伝えいたします。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2023年12月8日~12月22日インターネット上で実施。有効回答数は115件。
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。
保護者参加の行事の実態【アフターコロナの園と学校】
今回コクリコラボでは、緊急事態宣言のあった2020年度からの3年間と、いわゆる「アフターコロナ」と呼ばれる2023年度を比較し、園や学校での行事などの実施方法がどう変わったかを調査しました。
まずは保護者が特に濃密に参加する「運動会」と「授業参観」について聞いたところ、どちらも8割以上のママが「実施方法が変わった」と回答しました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
◆運動会は「保護者の人数制限なし」が最多
アフターコロナの運動会の実施方法でもっとも大きく変わったのが「保護者の人数制限がなくなった」でした。
アンケートでも次のような声が。
・保護者の人数制限がなくなったおかげで、祖父母も観覧できた。学年別で実施していたが、全学年一緒にやることになって活気があり、見ごたえがあった。
・保護者の人数制限がなくなり、「保護者同士の間隔を開けてください」等のアナウンスがなくなりました。
密を避けるための人数制限が撤廃され、「コロナ禍前に戻った」「活気があった」という声が多く寄せられました。一方でこのような声も。
・開催場所や保護者観覧の人数は元の形に近い状態に戻ったが、保護者や未就学児参加の競技はなくなった。午前中で終わり、お昼はなかった。
・コロナ禍と変わらない開催内容。人数制限。学年別。座席が決まっている。
午前中のみの開催、お弁当がなかった、種目がカットされた、などの点で「いまいち活気が戻らなかった」という声もありました。園庭や校庭が狭いという理由から、コロナ禍の実施方法のままというところもあったようです。
◆授業参観は「人数制限」「分散参加」がなくなり、教室に入れるようにも
アフターコロナの授業参観は、「保護者の人数制限」と「分散参観」がなくなったという声がほとんどでした。
・コロナのときは授業参観自体が動画配信だったのが、親も教室に入って参観できるようになった。
コロナ禍中は廊下などから見るスタイルだった学校も、アフターコロナの今年度は教室に入って子どもの様子を間近に見られたという声が特に多い印象です。
・夫婦で参加できて、一緒の時間を共有できる良い機会になっています。
分散参加のときには夫婦で見られなかったり、きょうだいがいる場合には異なる日や時間に足を運ばなければならなかったりして大変でした。そのためか、アフターコロナで人数制限や分散参加がなくなったことに不満を持つママの意見は見受けられませんでした。
子どもだけの行事の実態【アフターコロナの園と学校】
続いて、「遠足」「給食」「宿泊を伴う行事」(お泊まり保育や修学旅行など)について、アフターコロナの実施状況を調査しました。
「遠足」と「給食」では、約6割のママがコロナ禍と今年度で実施方法が「変わった」と回答しました。「宿泊を伴う行事」では、「変わった」と「コロナ禍の状況を知らない」と回答したママが約4割ずつでした。
前章の運動会や授業参観と違って、「遠足」「給食」「宿泊を伴う行事」は、そもそも保護者の目が届きづらいことから「コロナ禍の状況を知らない」という回答が多くなっていると考えられます。
◆遠足での変化はなんといっても「お弁当」が多数
アフターコロナの遠足で変わったこととして挙げられたのは「お弁当の食べ方」が圧倒的多数でした。
・お昼も一人一人がレジャーシートを離して食べている形から、みんなで集まって食べられるようになったようです。
・おやつがOKになりました。コロナ禍は食事時間短縮のためNGだったようです。
また行き先が近場から遠方に変わったという声も多く寄せられました。
・コロナ禍では徒歩で行けるような近場だったのが、電車やバスで遠くへ行けるようになった。
◆給食は「黙食がなくなった」が最多
コロナ禍中、飛沫感染などの恐れから、もっともピリピリしていたのは給食の時間だったのではないでしょうか。アフターコロナの今年度は「黙食がなくなった」と回答したママがもっとも多かったです。遠足も同様でしたが、やはり「お話をしながら食事をする」という機会が奪われた3年間は、親子ともインパクトが大きかったようです。ママの回答にも喜びがにじみ出ていました。
・黙食がなくなり、机を向かい合わせて友達とおしゃべりをしながらの給食に変わったことがとても嬉しい。幼稚園に関してはパーテーションがなくなった。
・黙食で楽しくなかったけど、今はおしゃべりもおかわりもできるから給食もより美味しいと言っていた。
「おかわり」のシステムが、アフターコロナで変わったという声も。
・おかわりは食事を手につける前のタイミングだけだったが、食後でもおかわりできるようになった。
・おかわりも先生が配膳をしていた形から、子どもたちがおこなうようになったようです。
一方でいまだに黙食が続いていたり、おしゃべりが減ったりしたという実態を明かしてくれたママもいました。
・変わらずいまだに黙食で、全員黒板を向いて食べている。
・黙食はなくなりましたが、みんな黙食に慣れたのかお喋りは減ったようです。
◆宿泊を伴う行事は実施有無がはっきり分かれる結果に
「宿泊を伴う行事」は、該当する学年しか詳細を知らないため「コロナ禍の状況を知らない」がもっとも多い回答でした。それ以外では「実施しなかった」と「昨年は実施されなかったが今年は実施された」の回答が二分しており、園や学校による対応が分かれている様子がうかがえます。
・去年は上の子が参加したがコロナ禍のため大浴場でお風呂に入れなかった。キャンプファイヤーや1日中歩き回って汗だくなのに、シートで体を拭くだけで終わりなのがかわいそうだったが、今年からはちゃんとお風呂に入れると聞き、よかったなと思った。
・コロナ前は狭い部屋でぎゅうぎゅうで寝るような所に宿泊していましたが、場所が変わり、広い部屋で収容人数の多いホテルに変更になりました。
・コロナによりお泊まり保育が「お楽しみ会」という、夕飯を食べて解散する形に変わった。アフターコロナでも同じ形をとっている。
特に印象的だったのは、園での宿泊を伴う行事が、日帰りのお楽しみ会や夕涼み会になったという声。夏に実施する園が多いため、5月に5類移行したばかりだった今年度は、まだ様子見のところが多かったのかもしれませんね。
園や学校に少しずつ日常が戻ってきている
園や学校における、アフターコロナ初年度の行事の実施状況について実態をお伝えしました。アフターコロナと言われてからまだ1年未満。
以前の状態にすぐに戻ることは難しいですが、給食のおかわりが自由にできるようになったり、教室に入って参観ができたり、とコロナ前には当たり前だったことがまたできるようになったことに喜びを感じているママが多いことがアンケートの回答からも伝わってきました。
次回以降の記事では、コロナ禍がもたらした園や学校のポジティブな変化、ネガティブな変化をお伝えします。
コクリコラボ
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