小学校の給食はメニューが豊富
では、フランスのお昼ごはんの様子はどのようなものなのでしょうか。
「小学校では給食です。構成は前菜とメインとデザートです。例えば、前菜としてメロンやスイカ、トマトとバジルのサラダ。メインにはローストチキンやナゲット、白身魚のフライなどですね。
私は食べられませんが、おいしそうだな、といつも思っています。
給食の献立メニューは学校からお知らせがあり、自宅からなにか軽食を持っていくということはありません。
メニュー豊富だし、ビオの野菜が使われていたり、内容的にも満足しています。
週に1回、金曜日はベジタリアンメニューもあるんですよ」
教室でチョコレートケーキを焼いていた!
「フランスらしいといえば、こんなことがありました。
2年生のクラスでは、クラスメートの誕生日の日に、教室に置いてあるオーブントースターやクレープを焼くプレートなどで、ケーキやクレープを焼いてお祝いしたとのこと。
全部のクラスがそうだったわけではないと思いますが、材料を混ぜるのは子どもたち、ケーキを焼くのは先生だったそうです。
以前、私も小学校に行く用事があったときに、教室でチョコレートケーキを焼いているところを目撃したことがありました」
教室でケーキを焼いてお祝いするなんて、日本では考えられないことですね。甘い匂いの教室が思い出に残るのは素敵なことのように思います。
「ちなみに新型コロナウイルスの影響で、ほぼ半年間、カフェやレストランが閉まっていました。
その間は、テイクアウトを利用する人が増えていましたね。だからか、フランスでは、“BENTO”(お弁当)を売るお店が最近増えてきています。
もともと日本食ブームのフランスでも“BENTO”は知られており、人気なのですが、持ち帰りの需要が高まったのでしょう。
日本人が想像する、フランス料理を何皿も楽しむコース料理は、ディナータイムがメイン。オペラを鑑賞するほど長時間のため、時間もコストもかなり気合が必要です。正直なところ、実際はあまり足を運ぶこともありません」
しかし、朝ごはんはさっと、お昼に“BENTO”だなんて、まるで日本のよう。なんだか親しみを感じてしまいました。
ダヴィエさんご一家、ありがとうございました。
第3回はヨーロッパ南東部、バルカン半島に位置するセルビアの朝ごはんをお伝えします。
取材・文 希代真理子
希代 真理子
1995年よりドイツ・ベルリン在住。フンボルト大学でロシア語学科を専攻した後、モスクワの医療クリニックでインターン。その後、ベルリンの映像制作会社に就職し、コーディネーター として主に日本のテレビ番組の制作に関わる。2014年よりフリーランスとして活動。メディアプロダクションに従事。2020年にAha!Comics のメンバーとして、ドイツの現地小学校を対象に算数の学習コミックを制作。
1995年よりドイツ・ベルリン在住。フンボルト大学でロシア語学科を専攻した後、モスクワの医療クリニックでインターン。その後、ベルリンの映像制作会社に就職し、コーディネーター として主に日本のテレビ番組の制作に関わる。2014年よりフリーランスとして活動。メディアプロダクションに従事。2020年にAha!Comics のメンバーとして、ドイツの現地小学校を対象に算数の学習コミックを制作。