【お金の知恵②】保険をかければ安心? リスクの取り方
──図鑑『お金と経済』の「お金でそなえる」のページに、自転車に乗っていた高校生が警察官にぶつかってしまい、約9,300万円もの賠償金が発生したというお話がありました。
泉さん:この例から「そなえる」について考えられることは、2つあります。1つ目は、歩いて目的地に行っていれば、誰かにぶつかることはなかった。自転車なら早く行けますが、事故を起こす可能性もあります。つまり「リスクを取った」のです。
リスクとは、ラテン語の「勇気をもって試みる」からきています。安全な方法を取るか、リスクを取るかを考えることができますね。
2つ目は、保険をかけたから安心なのか、という点です。
アメリカで、交通事故が多いためエアバッグの装着を義務づけた州がありました。すると、死亡事故は減ったけれど、事故そのものは増えたのです。
「エアバッグをつけたから安心」とスピードを出す運転手が増えたために、事故を減らすことができませんでした。
「保険をかければ安心なの?」「そなえるってどういうこと?」と、この事例ひとつをとっても、親子でいろいろな意見を交わすことができそうです。
【お金の知恵③】金銭感覚の身につけ方・お金と時間軸
──子どもに金銭感覚を身につけさせるには、どうしたらよいのでしょう。
泉さん:将来、子どもが自立するためには「自分で選択ができる人」に育てることが大切です。今、電子マネーが日常化していますが、子どもにはまず実際にお金を使うことを体験させましょう。失敗したり、成功したりする経験が大切です。
例えば、500円のお小遣いをもらったら、50円は使い残すようにします。1年たったら600円貯まりますから、もともともらった500円より大きな買い物ができますね。
「お出かけするときに使おう」「記念日に何か買う」と、将来のために予測して行動することが学べます。「お金に時間軸を入れる」ことが、金銭感覚を身につけるための重要なキーワードになります。






















































































