進学の選択肢「通信制高校」 生徒数は史上最多29万人超! リアルな実態と問題点を専門家が解説

認定NPO法人カタリバ代表理事・今村久美さんに聞く「通信制高校」 #1 ~通信制高校はどんなところ?~ 

認定NPO法人カタリバ代表理事:今村 久美

通信制高校の特徴

高校には平日の朝から夕方にかけて授業を受ける「全日制」、夕方から始まる学校が多く、働きながらでも通学することが可能な「定時制」、そして週何回通うかを自分で選択でき、通信手段を主体とした自習が中心となる「通信制」の3種類の課程があります。

3つの課程では、授業の方法や単位の取り方などの仕組みに違いはありますが、どの課程の高校を卒業しても「高校卒業資格」の取得は可能です。
 
通信制高校の主な特徴は、自宅学習を中心とした学習スタイルです。毎日登校する必要がなく、レポートの提出とスクーリング(登校による面接指導)、試験によって74単位以上を取得すれば卒業できます。

例えば、3年間で74単位を取ろうとすれば、学校にもよりますが、1年あたり平均してレポートを50~60通提出し、年間20日間程度のスクーリングが必要になります。

種類・入学時期・学費

通信制高校には、3つ以上の都道府県から生徒を募集している広域通信制高校(主に私立)と、主に高校所在地の都道府県に住んでいる生徒を募集している狭域通信制高校(主に公立)の2種類があります。

入学時期は、公立の通信制高校の場合、4月と10月に入学できる機会を設けていることが多いです。

一方、私立の通信制高校の場合は、多くの学校で年間を通じて入学を受け付けています。

学費に関しては、公立の通信制高校の場合、年間数万円程度とリーズナブルな価格設定となっています。一方、私立の通信制高校の場合は、公立よりも費用が高くなりますが、学生へのサポート体制が充実している傾向にあります。

次のページへ 通信制高校の最大のメリットとは?
32 件