
小学1・2・3年生の「算数」 ここでつまずく! 子どもがわかる算数の解き方・親の教え方 〔元小学校教諭の教育評論家〕が伝授
子どもがすっきりわかる「算数」の解き方・教え方 #2
2025.09.17
教育評論家:親野 智可等
1・2・3年生の算数 子どもが苦手な単元はこれ!

小学校6年間で習う主な算数の単元は、表のとおりです。ここから読み取れるのは、下の学年で習った勉強が、上の学年で難しくなったり、応用されたりしていることです。
たとえば、1年生で習う「たし算・ひき算」は、2年生で「たし算・ひき算の筆算」に。2年生で習う「かけ算(九九)」は、3年生以降に「わり算」など、さまざまな単元で登場します。算数が積み上げ型の教科といわれているゆえんです。
「小学校ではさまざまな単元を習いますが、その基本となる勉強が1年生のたし算・ひき算と2年生のかけ算(九九)です。
ここがわかっていないと続く3年生、4年生、高学年、その後の中学や高校の勉強にも響きます。つまずく子どもが多い部分ですから、しっかりと身につけさせたい単元です」(親野先生)
1年生 ここがわからないと大苦労する「数の分解と合成」
『8はあといくつで10になる?』
「1年生の算数のごく初めには、『数の分解と合成』という重要な勉強があります。数の分解とは、『8は3と5』などに分けられることであり、数の合成とは『8と2で10』などと、数を合わせることをいいます。
つまり、たし算とひき算の基本です。
『分解と合成』の中でも10の分解と合成が重要で、教科書では『10をつくろう』などのタイトルで登場します。問題としては『8はあといくつで10になる?』のような具合です。
このとき、たして10になる数=専門的な言葉でいうと『補数』は、2です。7の補数は3であり、6の補数は4です。
1年生では、この『補数』が瞬時に答えられないと1年生の最大の難関である、繰り上がりのたし算と繰り下がりのひき算でつまずきます。
なぜなら、8+7の場合なら、まず10をつくることが必要であり、12-3の場合は、まず12を10と2に分け、10から3を引くことが必要だからです」(親野先生)
1年生のたし算・ひき算でつまずいている場合は、「お風呂算数(※#1を参照)」で数える経験や数に親しむ経験を積むことのほかに、補数当てゲームもおすすめだと親野先生は話します。
「朝、子どもが起きてきたら、すかさず『7はあといくつで10になる?』と、問題を出すのもいいですね。パパやママと競い合って、答えが早くいえたら点数をあげるなど、楽しみながら算数力を高めるといいでしょう」(親野先生)
※#1を読む