子どもの「自主学習」 つまずいたときのサポートや親の関わり方は? 現役小学校教師がくわしく解説

【後編】 ~つまずいたときと親のサポート編~

桐朋学園 桐朋小学校教諭:伊垣 尚人

スライム、インコ、相撲 なんでもあり!

「テーマは何でもいいんですよ」(伊垣先生)
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──実際に、今の伊垣先生のクラスの子どもたちがどのようなテーマで自主学習ノートを作っているか教えてください。

伊垣先生:スライムが好きで、毎日少しずつ配合を変えてスライム作りの研究をしていた子がいます。スライム作りがひと段落した今はスーパーボール作りにはまっています。下の写真は、調べたことをさらにA3サイズにまとめたものです。

「調べただけでなく、実際に作ってみているのがいいですよね」(伊垣先生)

伊垣先生:どうしてもインコを飼いたくて、親に許可してもらうために一生懸命、生態や飼い方について調べていた子もいます。実際に飼うことになったときは本当に嬉しそうでしたね。

あとはトカゲを飼って卵から孵化させたり、トカゲのエサとなるコオロギの育て方を調べていた子もいます。その子は今、カマキリの研究をしていますが、この先もいろんな生物の研究に広がっていくんじゃないかな。

相撲が好きな子は、星取表をまとめたり、格付けや行司について調べたりと、一年中相撲についてノートに書いています。僕のために相撲クイズを作ってくれたりもして、おかげでずいぶん角界に詳しくなりましたよ(笑)。

以前のクラスでは小説を書いている子もいましたね。一日見開き1ページではおさまらず、2~3週間でノート1冊を使い切っていました。

「おかげでだいぶ相撲に詳しくなりました(笑)」(伊垣先生)。

伊垣先生:1年間の最後には、1年分の自学ノートをまとめて背表紙(厚紙)をつけて製本するのですが、事典のような厚さになるんですよ。毎日の積み重ねがこうして一目でわかる形になると、「これだけがんばったんだ!」という達成感が湧くし自信になるんですよね。

年度の最後に1年分の自学ノートを製本すると事典のような厚さに。
1年間毎日続けることが、子どもの自信や達成感に繫がる。

思いやりの心や失敗を許せる寛容さを

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