
我が子の「読書感想文」がレベルアップ! 「ふくらませ」「削り」「読み返し」の極意とは? 〔文章力養成講座の専門家〕が伝授する「親子インタビュー式読書感想文」
「親子インタビュー式読書感想文」松嶋有香さんが解説⑦ 教材:課題図書『ぼくの色、見つけた!』
2025.07.16
ゆか先生:「読書感想文」で自分の思いを他人にわかるようにきちんと伝えるためには、「書かないこと」を選ぶのが大切だからです。せっかくメモをたくさん書いたのだからとすべて入れてしまうと、結局「なにを伝えたいのか」がぼやけてしまいます。
改めてメモを見直すと、話題がそれているところがあったり、最初に挙げたものよりも子どもがより強く感情を揺さぶられたところが他に出てきたりします。
「このシーンの話はすごくおもしろかったし、一番書きたいテーマなんだね。そうしたらこっちはあまり関係ないかもね」と声かけをしながら、内容の引き算をしてみてください。
引き続き、『ぼくの色、見つけた!』を使って説明していきます。

ゆか先生:ステップ4で作った平林先生の話を取り上げた質問シートを見直すと、子どもの感想には2つの方向がありました。

子ども
(ア)「言ってもどうにもならないことは現実でもあるけれど、ちゃんと注意してもらえるとうれしい」
(イ)「障がいだったら、言ってもいい。困っていることを口にだすのは、気づいていない人に気づかせることだから」
ゆか先生:メモの分量をみると(イ)の話題が多かったので、(イ)を書いて(ア)は書かないことにします。
【ステップ6:原稿用紙に書いてみる】3つの話題について書く順番を決めて、文を書く
ゆか先生:新聞や雑誌、インターネットの記事でも、最近は「結論を先に書く」のが主流です。「読書感想文」も同じで、この感想文では何を伝えたいかを一番に書くと、読む方も食いつきやすくなります。
質問シートを並べてみて、子どもの意見を聞きながら書く順番を決めましょう。その時に「こっちが先だと、びっくりして先が気になるかも」などと、読んだ人がどう思うのかという視点があると、組み立てやすくなります。
またステップ5で「書かないこと」を削った結果、文の量が少なくなる問題が起きます。その場合は、残った文章=大切なポイントを、より詳しく書き増していきましょう。
ここで「原稿用紙が埋まらないかも」という恐怖心を取り除くアドバイスです!