2023年の受験はこれが出る!? 児童文学大予想!
首都圏中学受験塾の教室長が教える、入試に出題される本の特徴 3選
2022.08.12
②二度出るものは三度出る!
①とは逆の視点ですが、何度も出題される本というのもあります。
2022年も出題されたのが水野 瑠見さんの『十四歳日和』(2019/08/22発刊)です。
ここ3年間(2020年~2022年)で最も出題件数が多い本です(14件)。当然、今後も出題が予想される名作です。
学校側は子ども達が塾や過去問集でしっかり勉強してきたかどうかを見たいのです。
特に複数回、入試が行われる学校で名作が出題される傾向があるように感じます。
同様に10年以上前の本になりますが、重松清さんの『小学五年生』(2009/12/04発刊)も何度も出題されている名作です(2020年~2022年で7件)。
いずれもオムニバス形式、ショートストーリーというのも、先ほど書いたとおり、学校側に人気の秘密です。
③主人公は悩み多き小学生や中学生
物語文に限りますが、主人公や場面の設定にも共通点があります。
まず、登場人物が受験生と同世代の小学生や中学生のことが多いです。
また、家族や自分自身に悩みがあることがほとんどです。
その悩みを乗り越えて成長するストーリーこそが中学受験の題材としてマッチしているのでしょう。
・『シャンシャン、夏だより』浅野竜さん(2022/05/19発刊)
第23回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品です。
このように賞を受賞した作品は注目が集まることもあり、入試にも出題されます。
12歳のひと夏の物語ということで子どもが主人公ですし、転校生もテーマになっているので注目したい作品です。
おなじく、ちゅうでん児童文学賞の受賞作品(『ベランダに手をふって』葉山エミさん、『みつきの雪』眞島めいりさん)は入試によく出る印象です。
・『夏の体温』瀬尾 まいこさん(2022/03/17発刊)
瀬尾まいこさんと言えば、『そして、バトンは渡された』が昨年映画化されたこともあり、記憶に新しいですが、中学受験業界では『あと少し、もう少し』の作者と言った方がピンとくる方も多いかもしれません。
こちらの作品は、小学3年生の主人公が血小板数値の経過観察で1ヵ月以上入院しているという場面設定です。
・『空にピース』藤岡 陽子さん(2022/02/24発刊)
『金の角持つ子どもたち』の藤岡 陽子さんの新作です。
不登校、抗議しにくる母などの入試頻出キーワードも目白押しです。
こちらは小学校の先生視点の本です。
・『ななみの海』朝比奈あすかさん(2022/02/17発刊)
著者の朝比奈あすかさんは中学受験頻出著者です。
2022年も『君たちは今が世界』や『人間タワー』も出題されました。
また、中学受験小説『翼の翼』で昨年は話題になりましたね。
医学部、ダンス部、祖母など中学の先生が注目するキーワードがたくさんあります。