【中学受験】「算数の先取り学習」で逆転合格? 個別指導塾で成績アップする子の特徴とは?

【中受伴走】「進学個別指導塾TOMAS」扇谷洋平先生に聞く、個別指導塾の活用術 #2 (3/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

4科目ダメでも「まず1科目」 成功体験で育てる“自信の芽”

──扇谷先生がこれまでみてきたお子さんのなかで、個別指導を受けたことで成績が伸びたケースを教えてください。

扇谷先生:以前、4科目ともあまり振るわないお子さんがトーマスにいらっしゃいました。特に算数に苦手意識がありました。そこであえて1科目に集中して「得意に変える」指導を提案したのです。

多少奇襲作戦のように聞こえるかもしれませんが、全科目を中途半端にやるよりも、勉強量に対しての効果は、一科集中のほうが早く出ます。まずはひとつの科目で成功体験を積み、自己肯定感をぐっと上げる作戦をとりました。

算数を中心に指導した結果、算数の偏差値がまず上がりました。すると、そのお子さんは「次は理科もできるかもしれない!」と自信が持てるようになったのです。学びは、こうした最初の「成功体験」の積み重ねが大切です。

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──その一歩を支えるのが先生方の役割なのですね。

扇谷先生:私たちは「できた瞬間を逃さないように見る」ことを大切にしています。

例えば、教室でテストをしたときに、点数や〇×だけではわからない箇所を褒めるようにしています。「先週は書けなかった式や図が書けたね」などというように。

なかには「集団でないと切磋琢磨する環境がないのでは」と心配される保護者の方もいらっしゃいますが、講師が一人ひとりの生徒をしっかり見ることで、達成感ややる気のアップにつなげることができます。

『トーマス』と『スペックトーマス』 2つの塾の違いは?

──これから個別指導塾を検討する方のために、参考までに『トーマス』と『スペックトーマス』のふたつの塾の違いも教えていただけますか?

扇谷先生:スペックトーマスは難関校対策に特化した独自テキストとカリキュラムがあり、大手集団塾の個別版のような、体系的な学びを提供しています。

一方、トーマスは完全オーダーメイド。「算数の小数が苦手」「志望校の理科に特化したい」といった要望にも柔軟に対応します。

ただ、どちらにも共通しているのは「早く単元学習を終える」という考え方。

この考え方は、単なる“先取り”とは少し異なり、「6年生の秋から過去問演習に入るのでは遅い」という意識に基づいています。過去問対策にしっかり時間を取るための「前倒しの計画」も念頭においているのです。

「生徒との相性」がすべて “担任”が差配する講師マッチング

──一方で、個別指導というと生徒の数だけ先生が必要かと思うのですが、トーマスの先生は、どのような方が指導にあたられるのでしょうか?

扇谷先生:最も重視しているのは「生徒との相性」です。相性が全てといっても過言ではありません。お子さんによって、「1をきいて10を知る子」「最初のステップは時間をかけて理解する必要がある子」「早熟な子」「大器晩成の子」と、千差万別です。

ですから、講師がいろいろなお子さんと相性が良く、信頼関係を築けるかどうか重要になってきます。そして、その重要なマッチングを差配するのが、前回でもお話しした、お子さん一人ひとりにつく「担任」です。授業内容だけでなく、学習習慣やメンタル面も含めて総合的に勘案して、その子にとって最適な先生を提案しています。

──まさに「トーマスチーム」で伴走しているのですね。

扇谷先生:受験は孤独になりがちです。ですが、「一緒に戦ってくれる大人がいる」と思えるだけで、子どもはぐっと強くなります。

私たちは、ただ教えるのではなく、子どもの「もう少し頑張ってみよう」という気持ちを引き出すことも仕事に含まれていると思っています。同時に、親御さんにも的確なサポートをして、ともに受験戦略を考えることができるよう、体制を整えています。

ぜひトーマスに通ってない保護者の方も、お通いの塾の先生を大いに頼って、客観的な視点を取り入れるようにしてください! 中学受験はプロの力が必要です。塾とご家庭のチーム体制をしっかり作っていきましょう。

───◆───◆───

早めの計画と、その子のペースに合わせた指導。そして家庭と塾のチーム体制……それらの相乗効果で“合格”を引き寄せるというお話が印象的です。3回目は6年生で合格するために必要なマインドセットを伺います。

撮影/日下部真紀
取材・文/佐野倫子


中学受験伴走連載「個別指導編」は全3回。
1回目を読む。
3回目を読む。※2025年12月1日よりリンク有効

『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』著:佐野倫子(イカロス出版)

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おうぎや ようへい

扇谷 洋平

Yohei Ogiya
進学個別指導塾TOMAS教務企画局副局長。中学受験責任者。

進学個別指導塾TOMAS教務企画局副局長。中学受験責任者。『進学個別指導塾TOMAS』の27校舎を統括するブロック長。最難関中学受験専門の個別指導塾『Spec.TOMAS』の運営にも携わる。

進学個別指導塾TOMAS教務企画局副局長。中学受験責任者。『進学個別指導塾TOMAS』の27校舎を統括するブロック長。最難関中学受験専門の個別指導塾『Spec.TOMAS』の運営にも携わる。

さの みちこ

佐野 倫子

Michiko Sano
教育ジャーナリスト

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57