
【中学受験】成績が伸びる家庭の共通点とは? 〔カリスマ家庭教師〕が明かす親の役割3ヵ条
【中受伴走】家庭教師・小堀正博先生に聞く、保護者との関係性と伸びる家庭の共通点 〈中編〉 (3/3) 1ページ目に戻る
2025.10.11
教育ジャーナリスト:佐野 倫子
保護者が「ガミガミ言いすぎない」家庭の子どもは伸びる!

──大手塾に通いながら、苦手な単元や科目をカバーするために家庭教師を検討するご家庭も多いかと思います。塾と家庭教師を併用する場合、どのようなことに気をつけるべきでしょうか?
小堀先生:私の今受け持っている生徒も9割が大手塾と併用されています。基本は「塾を優先」でいいと思います。
ただし、塾の説明を聞いても理解できない場合に、補助的にサポートするのが家庭教師の役割だと思っています。どちらの先生にも状況を正直に伝えて、ぜひ有機的なタッグを目指してください。
──小堀先生は、これまでたくさんのご家庭を見てきて、「成績が伸びる家庭」に共通点はあるのでしょうか? そして反対に、「ここを改善すれば生徒が伸びるのに」というポイントは?
小堀先生:これがあるんですよ! まず保護者の方が「ガミガミ言いすぎない」ご家庭のお子さんは伸びやすいですね。
──今、ギクッとなりました(笑)。耳が痛いです。つい、ダラダラしているのを見ると口を出してしまいがちです。
小堀先生:「宿題やったの? まだなら早くやりなさい!」と絶えず言われて、やる気が出る子はいません。これは残念ながら逆効果だと思います。

小堀先生:次に「親が何でもやりすぎない」こと。毎日毎日、子どもの横に、親が選んだやるべき教材を積み上げて、ただ問答無用でやらせるという形はあまりおススメしません。
実際、過去にそのパターンで残念な結果になったご家庭がありました。家庭教師や集団塾のアドバイスよりも、保護者の方が選んだ教材を独自の計画で子どもに押し付けている様子を見て、とても気を揉みました。
少しずつでもいいので、自分で何をするべきか、どこが弱点か、そのために何をするべきかを考えたほうがいい結果になります。
そして「子どもの自己肯定感を大切にする」。自分を信頼でき、「やればできるんだ」という自信がある子は、最後にぐっと伸びていく子が多いですね。子どもの自己肯定感が高いと、自分で考えて動けるようになるからです。
また、「家庭教師や塾に“全権委任”」しているご家庭も伸びやすいです。餅は餅屋。講師はたくさんの子どもに接していて、中学受験の相場観を摑んでいます。プロのアドバイスを柔軟に取り入れ、自己流にこだわりすぎず、客観的な視点を持てれば申し分ありません。
また、家庭学習では予習より復習を重視してください。自己流で未修単元を長時間勉強するよりも、塾で学んだことをしっかり定着させるほうが効率的です。良い復習を積み重ねていければ、成績を上げることができます。
───◆───◆───
小堀先生の取材は、終始穏やかで、インタビューしている側が自然にあれこれと相談したくなるような雰囲気でした。それは先生が話す相手に対して敬意と興味を持ち、心を開いてくださっているからだと感じました。「講師」という仕事は教え、導くことがミッションですから、どうしても諭す場面が多いもの。こちらの話を大事に聞く、という徹底した姿勢を感じ、子どもたちもとても安定した気持ちになるのだと推察します。この雰囲気は、親としてもぜひ心がけたいと思いました。
次回3回目では、小堀先生に家庭での学習方法について詳しくお聞きします。
撮影/日下部真紀
取材・文/佐野倫子
中学受験伴走・家庭教師編は全3回。
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※3回目は公開時よりリンク有効。
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佐野 倫子
東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57
東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57
小堀 正博
家庭教師、俳優。1988年生まれ、ワシントンD.C.出身。関西学院中学部・高等部を経て、関西学院大学法学部卒業。 中学受験生を中心に、小学生から高校生まで全科目に対応。オンラインでの家庭教師として絶大な人気を博す。高等学校教諭普通免許状一種(公民)、司書教諭所持。漢字検定・英検各2級。 2006年映画『かぞくのひけつ』で役者本格デビュー。現在も俳優としても活躍中。主な出演作にNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』『マッサン』『まんぷく』など。2025年秋上映の映画『長篠』では、武田勝頼役で出演。 2024年3月ギラン・バレー症候群を発病。約5ヵ月に渡る入院生活を経て退院。現在もリ ハビリを続けながら、オンライン家庭教師と俳優として活躍中。 https://www.maimupro.co.jp/profile/2316/
家庭教師、俳優。1988年生まれ、ワシントンD.C.出身。関西学院中学部・高等部を経て、関西学院大学法学部卒業。 中学受験生を中心に、小学生から高校生まで全科目に対応。オンラインでの家庭教師として絶大な人気を博す。高等学校教諭普通免許状一種(公民)、司書教諭所持。漢字検定・英検各2級。 2006年映画『かぞくのひけつ』で役者本格デビュー。現在も俳優としても活躍中。主な出演作にNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』『マッサン』『まんぷく』など。2025年秋上映の映画『長篠』では、武田勝頼役で出演。 2024年3月ギラン・バレー症候群を発病。約5ヵ月に渡る入院生活を経て退院。現在もリ ハビリを続けながら、オンライン家庭教師と俳優として活躍中。 https://www.maimupro.co.jp/profile/2316/