「学校が楽しい子」が続出する理由 「子どもが決める」「自ら行動する」主体性にあった!〔現役小学校教員が明かす〕
現役教員に聞く 子どもが主体的になるヒント#1 授業編
2024.12.09
子どもが「作家」になる授業!?
とある日の葉山町立上山口小学校、4年1組の教室。
中をのぞくと、授業をしているはずの大窪先生の姿は見当たらず、その代わりに黙々とノートになにかを書いている子、友だちと話し合う子、一人で考え込む子といったように、思い思いに目の前の課題に取り組んでいる子どもたちが見られます。
さらにぐるりと見渡すと、ようやく子どもたちに紛れて大窪先生を発見! ノートにメモを取りながら、一人の子と熱心に会話をしていました。教室内では、先生が黒板の前に立って説明し、子どもたちが黙って板書するという、「普通の授業」とは似ても似つかない光景が広がります。
この日、子どもたちが取り組んでいたのは、「作家の時間」という授業。国語から週に1時間ほどを当て、オリジナルの物語やエッセイを創作しています。なにをどんなふうに書くのか、すべて自分で決めて書き進め、完成したら製本する予定です。
2学期から開始し、この日は4回目の授業です。書く題材を考える、アイデアをまとめるといった段階を経て、すでに書き始めている子が多いように見えますが、具体的な進め方は本人に任されています。
授業中、大窪先生は子どもたち一人ひとりの状況を聞いて回ります。これは作家の時間で「カンファランス」と呼ばれ、困っていることなどがあれば一緒に考え、子どものヒントや発見につながるようサポートします 。
授業を見て驚いたのは、書かない子や何もしない子が一人もいないこと。進み具合こそ違うけれど、みんな楽しそうに、前向きに取り組んでいるのです。
授業終了のチャイムを聞いて、「もっと書きたかったのに」とがっかりした子の姿が、熱量の高さを象徴しています。