進学の選択肢「通信制高校」 学費〜不登校対策まで 失敗しない選び方「4大ポイント」を専門家が徹底解説

認定NPO法人カタリバ代表理事・今村久美さんに聞く「通信制高校」 #3 ~学校の選び方~

認定NPO法人カタリバ代表理事:今村 久美

通信制がうまくいかないとき

ただし、今村さんは同時に次のような指摘もしています。

「夢や目標を持って通信制高校に進学した生徒が、途中で困難に直面し、『無理だ』と打ちひしがれるときもあるかもしれません。そうしたとき、自分の力だけで乗り越えられる人もいれば、周囲のサポートを必要とする人もいます。

そこで親としては、子どもの前向きなチャレンジを応援しつつも、うまくいかないときのためのセーフティーネットを用意しておくことが賢明だと思います。

例えば、通信制高校の教員や、スクールカウンセラーに相談できる関係を築いておくことや、子どもが頼れる友人関係を築けているか気にかけておくことが大切ですね」
(今村さん)

写真:アフロ
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進路は最終的に「子ども」が決める

また、今村さんは「通信制高校の選択肢が広がったからと言って、親が勝手に子どもの進路を決めてはならない」と主張します。進路を決めるのは最終的に子ども自身であり、自分の意思で決めたという実感を持つことで主体性が生まれるからです。

特に子どもが不登校の場合、親は子どもの将来を案じるあまり、つい先回りして最善の進路を決めようとしてしまう傾向が見られるからだといいます。

「子どもが安心して学習できるような環境を見つけたいと、親が考えることは当然であり、情報収集や子どもの選択肢を広げるためのサポートは大切です。

ただ、中学受験などと同様に、通信制高校の選択においても、親子で学校を訪問し、雰囲気を直接感じることが重要だと思います」
(今村さん)

なかには規律を重んじる学校も

今村さんがこのように述べるのは、通信制高校によって規律やルールのあり方が大きく異なるからです。

「通信制高校の中には『自由で何でも認める』学校もあれば、『規律を重んじる』学校もあります。

自由な環境は、自由を好む生徒にとって自分のペースで学習を進められるため、自分の時間を確保しやすいというメリットがある一方で、自由すぎる環境が苦手な生徒も。

例えば、不登校の子どものなかで『中学校で派手な生徒が教室を占領しているような世界観の中で、リア充でない自分につらさを感じたから学校に行けなくなった』というケースがありました。

このような生徒にとって、自由すぎる環境では再び同じようなストレスを感じてしまう可能性が。また、規律や指導が少ないため学習に集中できないこともあるかもしれません。

対して、規律を重んじる学校では、明確なルールがあるため、きちんとした規律の下で生徒は安心して勉強に専念することができます。

このように、自由な環境と規律のある環境には、それぞれメリットとデメリットがあります。だからこそ、事前に学校の方針や、そこで学ぶ生徒の雰囲気をしっかり見極めて子どもに合った環境を選ぶようにしましょう」
(今村さん)

選び方4つのポイント

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